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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross storys〜
episode of cross:進退
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厄介なことに、時間差を開けてある。
全員が、全力でその場から離脱しながら、互いの顔を見合わせてニヤリ、と笑った。
まず、作戦の第一段階は成功だ。ホークの顔を見ると、彼の顔もほころんでいる。
───あいつとはそんなに顔を見合わせていないが、それでも勘でわかる。あいつはキレやすい。しかも、悪いほうの意味でだ。キレてパワーが増すんだったらともかく、あいつは多分切れたら冷静さを欠くタイプ。エンカウントしたら、とにかくあいつをキレさせて冷静さを欠かせろ!───
脳裏に浮かんでくる、作戦会議で言い渡されたホークの言葉。
結果的に言えば、結構即死の危機に瀕したが、何事も作戦通り、思い通りにことが運ぶと言うのは予想以上に小気味が良い。
全員の顔に、思わず笑顔が浮かぶ。それが逆に、《ヒト》の癇に障る。
いや、障るどころじゃない。思いっきりアタックしている。
「クッソがァァァァ!!ヘラヘラすんじゃねェ!お前ら今からどこに出しても自慢できるよォな、立派な肉塊オブジェに変えてやんよォオオッ!!!」
耳障りな怒声。
ソレの怒りが辺りを侵食しているかのように、辺りの空気が陽炎のようにゆらりと歪む。近くの民家が、轟音とともに粉々になる。
流星群のように降り注いでくる瓦礫達を巧みに避けつつ、ホークが叫ぶ。
「チッ!このままじゃ狙い撃ちだ。散るぞ!作戦通りに、フォーメーションAで行く!!」
「「「「ラジャー!!」」」」
バッ、と音とともに五つの影が、それぞれ思い通りの方向に散り散りに散る。
次の瞬間、数瞬前まで全員がいた地面が轟音とともに爆ぜた。
石が敷き詰められた舗装道路は簡単に爆発し、散弾のような石の欠片が撒き散らされて周囲の壁に弾痕を残す。
全員の脳裏に蘇る、ホークの言葉。
───まず、キレたあいつは散り散りになった俺達を片っ端から始末しようとするだろう。目に付いた奴から片っ端、な───
ダガン!という音とともにソレの足元から、真っ白なコートの端をはためかせながら弾丸のように一人の影が飛び出した。
《
白い弾丸
(
ホワイトバレット
)
》の異名を冠せられる、ゲツガだ。
───そこで必要なのは、三次元的な動きができるあの厄介な翼を斬り落として、地面に引き摺り下ろすことだ。それができるのは、一番推進力とパワーに長けた───
「がっあぁ、あああぁあぁぁぁああああッッッ!!!」
腹の底から出たようなゲツガの雄叫びは、百分の数秒ほどの間、《ヒト》の動揺を誘って動きを止めた。それは、たったコンマ何秒かの時間。一瞬にして、戦闘の中では長すぎる刹那。
「なにっ!!」
見開かれる両眼。
ソレが、獲物を狩る狩人の目から、命懸けの戦闘を行う決闘者の眼にな
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