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魔法少女リリカルなのは〜その者の行く末は…………〜
Chapter-1 First story~Various encounter~
number-10 beginning a movement
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な表情に切り替えて、モニターを見つめる。
モニターには6つの方向から結界内の様子を映し出している。
どうやらまもなくなのはとフェイトの戦いが始まるようだ。


「艦長分かりました! 今、第3モニターに映します!」


そしてモニターに映し出される。


「……! これは……」


そこにいたものが見たものは、黒いと感じさせる容姿。一際(ひときわ)目を引くのは、両目の深紅の双眸。世の中すべてに悲観したような、絶望しきった眼。見る者を吸い込むような引力さえも感じられるような気がしてきた。


そして、その銀髪で深紅の双眸を持っている少年をリンディは知っていた。
その人となりは忘れることが出来ない――――


「艦長、ご存じなんですか?」


クロノがモニターから目を離さないリンディに問いかける。
リンディは質問をぶつけたクロノの方を見ることなく、モニターを見たまま答えた。


「…………6年前、最年少で管理局執務官に任命された少年。彼が立てた功績は数知れないが、その半年後急に退職した。……クロノ」


リンディは、クロノに呼び掛ける。
だが、クロノが答える前に話の続きを話し始めた。


「推定ランクSS+。あなたでは手も足も出ない相手よ。せめて、神君クラスの魔力があれば……ごめんなさい、こんなこと言ってもしょうがないわね。何せ――――」


――――私があの子の試験官を務めた時、私の全力を持ってしても、あの子には歯がたたなかったのだから。


そんな艦長であり、自身の母親でもあるリンディのつぶやきを聞いてしまったクロノは、何も言わずに管制室から退出した。
期待されていない、そんな母親からの感情から逃げるために。






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