第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第13話:信じる者はすくわれる……足下を。
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(裏切りの洞窟)
シンSIDE
「何で私がこんなジメジメ洞窟に入らなきゃなんないのよ!?」
先ほどからマーニャさんの不平が止まらない……
いや……先ほどからじゃないな、ずっと言い続けている。
ブランカを出立した俺たちは、東南に広がる砂漠地帯を抜ける為、砂漠の宿屋と呼ばれる施設に立ち寄った。
そこで“徒歩で砂漠を渡るのは大変危険だ。馬車を使わないと、とてもじゃないが生きてアネイルには辿り着けないぞ!”と、宿屋の主人に教えられた。
どうやらこの場所を拠点に、砂漠を渡る為の業者が居るらしいのだが……数日前にトルネコさんを運ぶ為出て行ってしまったららしく、その馬車が戻ってくるまで砂漠は渡れないと拒絶された。
困り途方に暮れていると、宿屋の隣に納屋があり……その中で立派な馬車と、綺麗な馬車馬が置かれているのを発見する。
馬車があるのだから何とかならないのかと宿屋の主人に尋ねたところ……
『その馬車と馬は、息子のホフマンの物だ。勝手に使う事は出来ない』
と断られる。
それではと思い、ホフマンさんに直接交渉をしたのだが……
『イヤだね! 人間なんて信用できない……どうせ砂漠を渡りきったら、そのままパトリシアと馬車を奪って逃げるんだろ! 下手に俺が付いて行ったら、砂漠の真ん中で殺されかねない。お前らなんか信用できるか!』
と不本意な事を言われ拒否られた。
彼の言い分を聞いて怒鳴りそうになったリューノちゃんを抱え、一旦外に出て対策を考える事に……
するとご立腹の少女から『ふざけやがってあの野郎。あんなヤツぶん殴って、馬車だけ奪いましょうよ!』と、感情丸出しのご意見を賜りました。
『落ち付けって……お前の父親が一番に言いそうな事を、娘のお前が言うんじゃない! もっと穏便に解決する方法があるはずだから、不穏な発言をするんじゃない!』
常識的なウルフさんの意見に従い、取り敢えず彼が極度の人間不信になった理由を聞き回って見る。
すると直ぐに判明。
何でも以前に彼が、心から信頼できる親友と共に東にある『裏切りの洞窟』へ宝探しを行ったときから豹変したと言う……
宿屋の主人……つまり父親が言うには、血だらけでパトリシアに連れ帰られたホフマンさんは、傷が治ってもその時の事は教えてくれず、極度の人間不信になったらしい。
う〜ん……困った。
『こりゃぁお手上げね!』
と、マーニャさんが諦めると……
『ダメですよ姉さん! 信じられなくなった人を、そのまま放置するなんていけません! 何とか私たちでホフマンさんの心を癒してあげましょう』
と、ミネアさんが言い出し……
「あんなヤツの為に、私が洞窟で苦労する意味なんてないのに……」
と、俺を先頭にミネアさん・リューノちゃん
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