第二十一章
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いる。石田が一万円札を差し出すと、それを鷲づかみにしすぐに立ち去った。親父さんの強引さに辟易した様子だ。
榊原が言った。
「韮沢に、もう覚悟を決めろと言ってやれ。ワシ達で出来ることは限られている。あの倉庫を包囲するように説得するんだ。」
石田がリダイアルする。相手はすぐに出た。石田が怒鳴った。
「おい、韮沢、俺達は今覚悟を決めているんだ。お前も覚悟を決めろ。」
「ちょっと待ってくれ。今、正に開くそうだ。」
石田の携帯を奪って榊原が叫んだ。
「おい、韮沢、見そこなったぞ。貴様がそんな軟弱な奴とは思わなかった。」
沈黙が続いた。そして韮沢が口を開いた。
「榊原、本当に方面本部長がかかわっているのか。」
「そうだ、何度でも言う。奴は北朝鮮スパイだ。もう覚悟を決めろ。」
「分かった、何とかする。」
またしても電話は切られた。
「煮え切らん奴だ。」
そう言うと、腰に差したリボルバーを引きぬいた。
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