第十七章
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叔父から連絡がいっているのだ。名前を言うと、すぐにどすの利いた声を響かせた。
「随分と用心しているじゃねえか、小野寺。お前が掛けているのは公衆電話だな。」
「ああ、逆探知でもされたら大変だからな。」
「馬鹿言え、警察じゃあるまいし、そんな芸当が出来るか。そうそう、今回の俺のコードネームはお前にあやかってモンスターってことにしよう。このコードネームは俺にこそ相応しい。これから俺をそう呼ぶんだ、いいな。ところで、用件はわかっているな。」
「ああ、分かった、モンスター。これでいいか。」
「ああ、それでいい。」
「つまり晴美と交換ってことだろう。」
「そういうことだ。娘は大切に扱っている。安心しろ。」
「俺を甘く見るな。お前等は洋介君を殺しただろう。俺はブツを死体と交換するつもりはない。晴海が生きてるという証拠をみせろ。」
「さっきも言ったが、娘は大切に扱っている。それにあれは事故だった。あの青年は、次の工作船が着いたら北に送るつもりだった。しかし奴は逃げようとした。そして慌てた見張りが思わず刺したということだ。殺すつもりはなかったんだ。」
「ブツは間違い無く渡す。だが、それは晴美が生きているってことを確認してからだ。三日後に電話する。テープでも何でもいい。晴海の声を聞かせろ。そしたら交換場所を指示する。」
「交換場所を指示するだと、ふざけるな。おい、娘を預かっているのはこっちだぞ。いいか、良く聞け。交換場所に娘を連れてゆく。望遠鏡でも何でも用意して娘の生存は確認しろ。もし、死体だったら近付かなければいい。」
「駄目だ、モンスター。お前等のやり方は心得ている。本部が動けばどれだけの人数を集められるか知っている。場所はこっちが指定する。」
「娘がどうなってもいいのか、おい、どうなんだ。おい、返事をしろ、返事を。」
小野寺は何も答えない。しびれを切らしたのはモンスターの方だ。
「ちっ、食えねえ野郎だ。分かった、お前の心配の種を取り除いてやる。こうしようじゃねえか。取引は昼間、街中の喫茶店だ。そうだ渋谷がいい。俺達だってそんな所で暴れたり、まして発砲したりはしない。」
「とにかく、娘が生きているという証拠が先だ。娘の無事だというメッセージを録音しておけ。三日後にまた電話する。それを聞けば、そちらの指示に従ってもいい。」
「分かったよ。ブツさえ手に入れば、こっちは何もいらない。お前の命も、娘の命もだ。ただし、ブツが偽物だったら、ただじゃあ置かねえ、分かっているな。」
「ノートパソコンでも用意しておけ。そうすればその場で確認できる。そうそう、その道のプロも同席させたらいい。」
「よし、分かった。三日後だな。娘の生存の証拠は声を録音すればいいんだな。」
「ああ、声を聞けば信用しよう。」
「だが、
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