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シンクロニシティ10
第九章
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てあるんですが、それと比較してもらったら、全く同じ配列だそうです。それとMDを送り返したもらうためにモンスターに連絡して以来、もうその携帯には繋がらなくなったそうです。調べましたら、例のプリペイド式で契約者を探し出すことは無理のようです。」
「その友人というのは?」
「まあ、それはいいじゃないですか。」
「分かりました。では、そのMDを公安の暗号解読チームに渡して調べてもらいます。」
「有難うございます。」
「ところで、話はかわりますが、榊原さんも、総務部長に思いきったことをおっしゃったみたいですね。」
ちらりと高嶋の横顔を一瞥した。いよいよ今日の呼び出しの核心に触れてきた。高嶋は小川総務部長から指示を受けて、榊原を呼び出したのだ。
「榊原さん、あなたとはごく親しくさせて頂いています。だから小川総務部長は僕に頼んだのだと思います。それに駒田のことは僕もよく知っています。大学の後輩です。ですから報復人事なんてことは絶対させません。」
「その話はやめてもらえませんか。ワシはお世話になった方を脅した。申し訳なく思っています。つい、かっとなって思いもしない言葉が衝いて出た。それだけのことなんです。他意はありません。」
「分かります、私だって駒田なんて男が自分の上司になると知ったら、全てを蹴飛ばしたくなりますよ。あいつは、エリート意識と権力意識に凝り固まっている。あんな奴がこの国の警察官僚のトップになろうとしているんだから厭になってしまう。」
「でも高嶋さんは、あいつの上司になるわけじゃないですか。」
「いや、もともと育ちが違う。私は母一人子一人の母子家庭で、あまり家庭環境は自慢できるものではない。だが、あいつはエリートの家系だし、強いコネクションを持っている。いずれ追いぬかされる。僕も、いつかは、あいつに尻尾を振るしかないのかもしれない。」
「つまり家柄やコネクションの方が実力より勝るというわけか。」
「ええ、その通りです。」
「つまり、最終的には駒田の報復人事を押さえるのは難しいと?」
「いいや、出来るとおもいます、少なくとも後輩は後輩ですから、何とか説得しますよ。ところで、榊原さん、榊原さんが小川総務部長を脅したネタは5年前に起こった上村組の事件でしょう。小川さんには悪いが、応援しますよ。」
榊原は肩をすくめて惚けてみせたが、高嶋はそしらぬ素振りで続けた。
「あの事件の裏にはキャリアの問題が深く関わっていることは確かです。仲間を売ることになるかもしれませんが、それもしかたありません。」
 榊原は一瞬虚を突かれ、ぽかんと口を開けて高嶋を見つめた。高嶋はキャリアの一員である。その高嶋が仲間を裏切ってもいいと言っているのだ。
「こいつは驚きだ。高嶋課長もキャリアじゃないですか。本気とは思えませ
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