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IS〈インフィニット・ストラトス〉駆け抜ける者
第17話
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ッヒ…、強さは、一つじゃないぞ…」

ボーデヴィッヒの、篠ノ之を蔑ろにする戦い方を危惧した俺の言葉は、観客の歓声にかき消された。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

戦況が変わった。一人でボーデヴィッヒ相手に持ちこたえていた一夏に、篠ノ之を倒したシャルルが援護に入った。

しかし、それでもボーデヴィッヒは一夏達と互角以上、一夏の零落白夜の特性上、受け続けた一夏は厳しい。しかし、厳しいのはボーデヴィッヒも同じ。

ボーデヴィッヒが零落白夜の消えた白式を貫く。そこに、瞬間加速を発動させたシャルルが、ボーデヴィッヒに肉薄。

結果が見えた。シャルルの奥の手は、ゼロ距離の何か。そして、なんの考えもなくシャルルは突撃をしない。一夏がボーデヴィッヒを止め、シャルルが仕留める。

目をつぶり、改めて結果を確める。そこには、変わり果てたボーデヴィッヒが居た。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ボーデヴィッヒ…ッ!」

呻くように言葉を捻り出す。

眼下のボーデヴィッヒは、黒い最小限のアーマーを腕と足につけ、フルフェイスのアーマーで顔を覆い、目がある場所は装甲のしたのラインアイ・センサーが赤く光っている。

そして、手には一夏の武器、《雪片弐型》に酷似した刀を持っている。

一夏が構えた瞬間、ボーデヴィッヒが攻める。が、一夏がおかしい。既にエネルギーの尽きた白式で、ボーデヴィッヒに突っ込んでいる。

その形相は怒りに満ちている。

そうか、一夏。それは、織斑先生の技なんだな。一夏の怒りと、ボーデヴィッヒの経歴から、自然と察することができた。

アナウンスが避難を促している。だが、俺は動く気は無かった。

「教えてやれ、一夏。力は、強さってのはどういうのか」

一夏とボーデヴィッヒ。二人の想いを知っているからこそ、この戦い、最後まで見なければならない。

一夏の動きを、余すことなく俺はその目に焼き付けた。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

戦闘終了後、ただちにボーデヴィッヒは医務室へ運ばれた。ボーデヴィッヒの様子を見るために医務室へ向かうと、ちょうど織斑先生とボーデヴィッヒが話していた。

ここにいるのも無粋だろうと、一旦離れる。

数分たって、廊下の向こうから、織斑先生が来た。

「丹下か。ラウラの見舞いなら、あまり無茶をさせるなよ」
「確認するだけですよ。俺の予想がどうなったか」
「それは、ラウラが『一夏に惚れる』、か?」

不敵に笑い、完璧な答えを先生は出してくれる。

「それなら間違いない。お前の勝ちだ。私が保証する」

ニヤニヤと嫌な笑みのまま、先生はそう言った。

「まあ、ラウラが復帰すれば分かることだ。今日は一人にしてやれ」
「…先生がそう仰るなら…」

ひとま
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