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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「佐藤さんの調査報告書:残間兄弟の事情に迫るの巻(後編)」
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彼女に対するほんの小さな“失望”が感じ取れたからだ。彼女が欲するのはそれじゃない。もっと楽しく明るい意志を、彼女は操縦者に持たせなければならないのだ。
なのに、この打鉄というフレームが、そのスペックが追い付けない。動きに合わせて機体の反応速度を極限まで上げても、現在彼女と共にいる操縦者にとっては“重りが付いた状態で運動している”と認識されている。

そんなのは嫌だ。そんなのは駄目だ。これでは彼女も操縦者も幸せではない。あるべき形ではない。
だから、彼女は考える。どうすれば現状を打開できるか。どうすれば操縦者と幸せになれるか。
その打開策を求め、彼女はIS同士がそれぞれの経験を流し合う情報の海、“コアネットワーク”へと意識を飛ばす。


――操縦者の身体情報を基に全IS操縦者の中で最も能力が近い操縦者をピックアップ、情報差異の調整を合わせて検証。
――同時に操縦者の反応速度に見合った機体の骨格、出力、PIC値、反応速度、駆動域を逆算開始。
――操縦者の先ほどの稼働データを基に必要な機体性能の値を演算、それを基にフレームの再構成を開始。
――操縦者の深層意識にアクセス、操縦者の理想とするイメージをデータとして抽出。


 ――待っててね、今アナタに追いつける(カラダ)に成るから――。




残間承章ことジョウは、現在数少ない友達であるシャルロットとISの操縦訓練に来ていた。
ジョウがISに騎乗するのはこれで2回目、1回目は入学試験でのことである。試験のときは軽く放った掌底一発で試験官が昏倒してしまったため、碌にIS操縦感覚というものを掴めなかった。
よって今回はIS操縦者としての先輩であるシャルに頼んでISの訓練に勤しんでいる。

現在ジョウがしているのは数年前にどこぞの山奥で習った武道の型の確認である。武者修行中に偶然出くわし、拳法を習い、そして免許皆伝を丁重に断ったどこぞの爺さんを思い出しながら流れるように肩の確認をする。
腰を落として一つ一つの動作を素早く、一見繋がりの無い単純な突きなどの動きを次々に連結させて一つの流れとする。
興味半分で見に来たギャラリーはその舞を踊るような動きに感嘆の声を上げている。

「んー・・・」
「どうしたの、ジョウ?」
「ISの動きが鈍い・・・全身に鎧着てるみたいだ」
「・・・・・・じ、冗談だよね?だってさっきの拳法の型みたいなやつの動き、どう見てもベテラン級の滑らかさだったよ!?」
「んなこと言ったって鈍いもんは鈍いんだよなー」

シャルが人外を見るような目でこちらを見る。やめてよね、ちゃんと人間なんだから。そんな風に見られても事実は事実だ。生身ならもっと素早く動けただろうに反応動作が追い付かず、結果としてこちらがその反応速度に合わせなければいけない形とな
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