第22話 玄辰水星登場
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の妄想により生み出された存在だと思われます」
俺に取っては、非常に頭の痛くなる結論を口にする。
そして、一度言葉を止め、軽く息継ぎ。新鮮な空気で肺を満たす事で、重く成りつつある自分自身の気分を一掃。
大丈夫。俺は未だ落ち着いて居る。そう確信した後、続きの言葉を口にした。
「故に、今年の七月七日に、この世界のキョンと呼称される存在と朝比奈みくると名乗る自称未来人が、この世界の一九九九年七月七日に向かって時間移動を行う事もなく、この世界に留まれば、この世界の過去が改変されなくなり、結果として情報統合思念体は誕生する事は無くなると推測して居ます」
俺が一番懸念していた事態。
このまま事態が推移すると、タイムパラドックス。所謂、親殺しのパラドックスと言う状況に陥ると言う事を。
朝比奈みくると言う名前の未来人が、何故、邪神と目される存在を過去の涼宮ハルヒと接触させようと試みるのかを考えると、その答えは自ずと理解出来ますから。
それは、彼女がそれを行わない限り、彼女が存在した未来が訪れないから。
つまり、朝比奈みくると言う未来人の訪れた未来は、ハルヒとキョンが接触する事に因って発生した世界が到達する未来だと言う事。
そして、その接触に因って生み出された世界に発生したのが、銀河開闢と同時に発生したと自称している情報統合思念体。
更に、機関と言う涼宮ハルヒが覚醒させた超能力者集団も存在するらしい。
いや、この世界のキョンと呼ばれる存在も、三年前に発生した存在で有る可能性が非常に高いと言わざるを得ないでしょう。
「この四月。北高校に入学した涼宮ハルヒ嬢は、こう言うそうです」
軽く首肯いた後、和田さんが少し不思議な台詞を口にし出した。
但し、彼らも普通人では有りません。
そして、有希や、未来人に為せる時間移動が、水晶宮の関係者に出来ないと決めつける事は出来ません。事実、俺の生きて居た世界でも、時間跳躍能力者は確かに存在して居ましたから。
まして、今回の場合は必ずしも本人が時間移動を行う必要はなく、情報のみが時間移動を行えば良いだけなので、未来予知に類する能力者が介在すれば問題なく得られる情報だと言う事です。
「自分は普通の人間に興味はない。自分の友達に相応しいのは、宇宙人。未来人。異世界人。超能力者だと言ったそうです」
成るほど。王国能力者がそう言ったとするのなら、そのような特殊な人間が、最初は居なかったとしても、無理矢理にでっち上げる可能性も有りますか。
いや、適当な一般人に、そう言う役割を割り振る事さえ可能かも知れませんね。
まして、有希に至っては、その時間の中を何周にも渡って同じ行動を続けて来た事に因り、余計な因業を重ねて
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