第22話 玄辰水星登場
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を使ってくれたと言う事なのでしょう。
それに、彼女が顕われたと言う事は、水晶宮は情報統合思念体と言う存在を恐れては居ませんが、同時に侮っている訳でもない、と言う事の現れでも有ると思います。
何故ならば、玄辰水星とは、それぐらい高い神格を有して居る女神さまですから。
そう考えた瞬間、再び響く扉を叩く音。
「そうしたら、玄辰水星さま。有希の事をお願い出来ますか?」
そして、覚悟を決めて、本日、ここに彼女を連れて来た最大の目的を果たす為に、有希の事を玄辰水星に預ける俺。
これで、有希と水晶宮の間に交流が生まれ、そして、俺が自らの生まれた世界に去ってからでも、彼女の身体のメンテナンスなどは、水晶宮の方で行う事が出来るように成るでしょう。
何事にも絶対はないはずですから。思念体に出来る事ならば、水晶宮。いや、仙族にだって出来ない訳は有りませんからね。
そして、その言葉を玄辰水星に告げた瞬間が、ここに俺がやって来た最大の目的。俺が、俺の能力を水晶宮に対して示す事が始まった瞬間でも有ります。
そう。俺は未だ、この羅?星との戦いに対して、参加する許可を完全に得た訳でも有りませんし、また、完全にそれに相応しいと言うだけの能力を示した訳でも有りませんから。
俺は、そう考えながら、室内に響いたノックの音に対して、返事を行ったのでした。
☆★☆★☆
俺の正面に水晶宮長史和田亮と、那托……蓮の花の精らしき少女神代万結が座る。
この形は、おそらく口頭試問。俺の能力を調べる意味から、この形に成っているのでしょう。
そして、俺自身の覚悟のほどを知る為の意味も……。
「それでは、忍くん。少し、質問させて貰っても良いでしょうか?」
先ず口火を切ったのは水晶宮長史。それに、俺の頭の出来を調べるのなら、彼が最初に問い掛けて来るのは当然ですか。
「はい、問題有りません」
居住まいを正し、まるで面接試験を受けるような雰囲気で答える俺。
但し、緊張度が違いますが。ここでの結果が、有希の未来に関わる可能性が高いのですから。
俺自身は、羅?星と直接相対さなくても、命まで失う可能性の有る未来の暗示は現れて居ませんが、有希に関しては……。
「それでは。忍くんは、涼宮ハルヒ嬢の能力をどのように見ます」
軽いジャブに等しい質問。俺の立場でこの程度の予測を立てられないようでは、認められないと言う事ですか。
確かに、俺はハルヒの能力発動の際に居合わせましたし、有希から、彼女が自分に都合の良い形で世界の情報を書き換えているとも聞かされて居ます。
ならば、答えは簡単。
「王国技能と称される技能です」
俺は、澱みなく答えた。
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