第22話 玄辰水星登場
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は、昨日赴いた先の麻生探偵事務所ではなく、その事務所から神代万結の転移魔法を使用した先に存在している場所。
はっきり言うのなら、俺にも何処に連れて来られたのかまったく判らない場所に有る応接室のソファーに座らされている状態です。
いや、この場所自体が、現実界に確実に存在している場所とは限りませんか。
「それでも、今日、有希の身体のチェックが終わって、そこで何の問題も無かったら、明日の陽光の有る内はヒマやから、有希のやりたい事に付き合うから」
まるで、デートに遅れた事を謝るような雰囲気で、自らの右側に腰を下ろす少女に話し掛ける俺。
尚、二日連続で水晶宮に赴く事と成った理由は、有希が俺の手を取った事に大きな理由が有ります。
彼女は、現在のトコロ、人類の敵と成って仕舞っている可能性が非常に高い情報統合思念体作製の対有機生命体接触用人型端末。
そして、その情報統合思念体と言う存在が、どうにも胡散臭い存在のようなので、このまま有希が俺の手を取ったとしても、この羅?星事件が終了した後に、思念体と有希の交信が回復した後に、彼女の、この一週間の間の記憶をリセットされたり、その他の危険なギミックが発動させられたりする可能性が有ったので、その部分のチェックと排除を行う為に水晶宮を訪れたのです。
それに、その他にもちょいとした不安要素も有りましたから。
そう。彼らの自称を信用したとして、情報統合思念体が銀河開闢以来、情報を収集する事に因って進化し続けて来た存在と考えたとしても、仙族と言う存在もまた太極から発生した世界と共に有り続けて来た存在。実は、両者の間には、そんなに大きな差が有る訳では有りません。
まして、仙族には同じような人工生命体の那托と言う存在も居りますから、人型端末の仕組みが完全に解き明かせるかどうかは判りませんが、まったく判らない、などと言う事はないと思います。
当然のように、人工生命体に対して完全に心や魂を定着させる事は仙族にも可能ですから。
それこそ、神話の時代からね。
「わたしには、特別に何か、改まってやりたい事はない」
普段通りの彼女の答え。しかし、その時、【霊道】を通じて彼女から流れて来る雰囲気には、少しの寂しさに似た色が着いて居た。
確かに、彼女の言葉を信用するのなら、彼女が誕生してから未だ二年半程度。まして、その二年半もすべてが待機任務状態で、二年半前に自らの元に助けを求めて顕われたふたりの異世界の未来人たちの時間凍結を維持するだけが彼女の役割だったようですから、そんなに世慣れている訳は有りませんか。
但し、時間旅行を続けて来た、彼女の記憶や、心の部分がどの程度の業を背負っているのかについては、俺には未だ判らないので
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