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 Fate/Last 第6次聖杯戦争
開戦
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、河口だった。ここは冬木で唯一の海外との貿易までしている場所だ。しかし、夜も更けてきたため人がいない。
 「誰もいないんじゃ、前哨戦には最適ってわけか」
 士朗がつい、こぼす。各地で戦場を巡っているとこんな風に感が働くようになった。
 そして、そのコンテナたちの姿もなくなった、河口のはずれに『それ』はいた。

 「ん?」
 黒い塊は二つの紅い点をこうこうと輝かせながら士朗たちを見る。そして士朗はその姿にかつて自分が殺し合ったサーヴァント、そして隣に居るアルトリアを確かに見た。間違いなく、こいつはサーヴァントだと心が、身体が告げる。さらにその手元には真っ二つになった遠坂家の拠点の発信地となる宝石があった。
 士郎は一瞬で自分にはかなわない相手だと悟った。
 「逃げてください、シロウ」
 静かにアルトリアが言った。その顔はまさしくかつて聖杯戦争を戦っていた当時のものだった。
「久しぶりだな・・・アーサー王よ」
 黒ずくめの騎士はアルトリアのことを一瞥してそうつぶやいた。その手にはまがまがしい魔力を放つ、一本の槍が握られている。しかもランサーはアルトリアの名前を知っている。そのことがアルトリアの戦闘に臨むにあたっての一振りの剣のような澄んだ闘気にわずかな曇りを与えていた。
 「私の名前を知っているのか・・・?」
 「とりあえずはランサーとだけ言っておこうか」
 「ッ。シロウ、逃げて!」
 突然、黒づくめの騎士は槍を構え、近づいてくる。アルトリアはそれに対して八相の構えで、迎え撃つ。
 剣と槍がぶつかる。はじける魔力は火花のように飛び散る。体格差は歴然としているが、アルトリアは魔力を刃に乗せることにより、威力と運動能力を強化しているのだ。このことはサーヴァントの戦闘能力は肉体の大きさによってきまるものでは無いということを示している。
 士郎はその衝撃にのけぞる。
 「いいから逃げてくださいっ。そして、リンに拠点の陥落を」
 「で、でも」
 士朗は剣を投影し戦おうとさえしている。
 徐々に押される。
 「早く!」
 アルトリアの必死の叫びに士郎は弾かれたように駆け去っていく。
 「くっ」
 ようやくシロウが逃げたのを確認したアルトリアは少しずつ、勢いを盛り返していく。
剣は普段通り風王結界によって不可視の状態である。その不可視の刃は、敵の判断力を鈍らせる・・・が。
 二合三合と打ち合っていくうちにアルトリアは違和感を感じ取った。
 四合目、いったん間合いを取る。
 やはりそうだ。この騎士には自分の剣の間合いがわかっている
 「私の名、そして剣の間合いまで知っている。あなたは・・・まさかブリテンの者ですか?」
 「何度も言わせるな、俺は円卓なんぞ知らんな。ブリテンの破滅なら知っているが?」
 兜で未だ見ぬ顔
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