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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-1 第3話
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を取り戻したと記されていた。
さらに、勇者ロトは仲間の女僧侶と恋仲で、将来は結婚するであろう、とも書かれていた。
(もしかしたらこれが真実なのかもしれない。この本の内容になぜか違和感は感じられない。そもそも、子孫がいるということは勇者ロトは相手の人もいたはず。ルビス様とは結ばれてはいないとはこの本にも図書室の本にも書いてあるということは、間違いない。勇者ロトはしばらくして、異世界へ帰ったのだから。…)
しかし、疑問が浮かび上がる。何故、本当のことが書かれたこの書物を養母が持っていたのか。実は、勇者ロトに仲間がいたとかかれていた書物はすべてラルス13世によって焼却処分されたはずなのだ。
(表装を変えることによって乗り切ったということか。でも何故養母さんは持っていたのか?僕が勇者ロトの子孫だと見抜いていたのか?いや、ラルス13世の時代は100年ぐらい昔のはず。そんなことなど予見出来ていただろうか?)
ハルカは悩みながら書物を閉じる。一体養母はどこで書物を手にしたというのだろうか?
(闇市…とかかな)
とりあえずそう考えることにした。あまり考えすぎるとますます訳が分からなくなって旅に支障を出るかもしれない。

「お、ハルカじゃないか」
顔をあげると長身の男、イアンがいた。ハルカは驚いて椅子から転げ落ちそうになった。
「おいおい、俺は何も見てないぞ。勇者ロトに関する勉強か?」
イアンは大声を立てないように、しかし顔は豪快に笑っていた。
「ええ、まあ。ついでにこの日記を読んでいたんです」
ハルカはそんなイアンに微笑み返す。
「そうか。色々と大変だな。俺も何か力になればよかったのだが…。例えばお前の戦いの手助けとかな。勇者ロトは一人で大魔王を倒したと思っている奴が多いが、俺は誰か仲間がいたんじゃねえかとおもうんだ。おっと、誰にも言うなよ」
イアンは小声で誰にも聞こえないようにハルカにそう言った。
「え、イアンさんもそう思っていたんですか?実は僕…」
ハルカは正直に、日記ではなく、禁じられたはずの歴史書を読んでいた、と話す。
「そういうことか。実は俺の親父も持ってたんだよ。残念ながら、俺がお前ぐらいのときに火事に遭い、消失してしまったんだがな」
「何処で手に入れていたんです?」
「闇市だよ。ドムドーラで月一で行われていたんだ。多分お前が持っているソレもそうだぜ」
なるほど、とハルカは納得した。まだ疑問点は残ってはいるが、この書物の入手ルートはなんとなく掴めたのだ。
「ハルカ、ただな、そのことは誰も言うんじゃないぞ。もしかしたら処刑されるかも知れん」
「分かってます。僕も誰も言う気はありませんよ」
言われなくとも解っている、ハルカとイアンはお互いそう思い、頷いた。
「そう考えると、俺ももっと若ければなと思うわけだ」
「ど
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