第四章 空白期編
第百十三話 『陸士訓練校の変わったトリオ(前編)』
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くないのかしらねー?)
そんな言葉が聞こえてきた。
それで思わずランスターさんは振り向く。
ランスターさんはそれで拳を握りしめていた。
なんかこの空気は嫌だ。だから、
「ランスターさん、休憩行こう?」
あたしはランスターさんを引っ張っていった。
でもリオンはちょっと立ち止まっていたけどどうしたんだろう?
「リオンも行こう…?」
「先に行ってて。私はちょっとお話してくるから」
「あ、ちょっとリオン…!」
リオンはそれでどこかへと行ってしまった。
と、とりあえずあたし達は外に出ることにした。
それで少しランスターさんと話をしているとしばらくしてリオンが追いついてきた。
表情はすっきりとしていて、その拳にはなにやら赤いシミがついていたけど、あたしの気のせいだよね…?
「ちょっとすっきりしたかな?」
「あのさ、リオン…一体何を?」
「気にしたら負けだよ? スバル」
「う、うん…」
「それでどこまで話したの…?」
「うん。えっとね…」
それで説明する。
あんなのは軽口だ、とか。
本当は士官学校か空隊に入りたくて、ここなら楽勝だと思って入ってきた?とか。
など。
「ふーん…そこらへんまでは話したんだ。それじゃ私もスバルと同意見かな?
トリオとして仲間のプライドを守るのは当然の義務だからね」
「…そう」
それでランスターさんはポツリポツリと語りだす。
曰く、士官学校も空隊も落ちたのは本当。
だけど今いる場所を卑下するほど腐ってはいない。
いつかは空に上がる、だけど今は誇りを持ってここにいる。
一流の陸戦魔導師になって、ここをトップで卒業して陸戦Aランクまではまっすぐに駆け上がる。
…など、ランスターさんの本心はだいたい聞けた。
なら後は、
「そうだね、スバル!」
リオンもあたしの言いたいことを未来予知したのか、
「あとは証明するだけだよ。三人で証明して言ってみんなに実力を認めさせよう」
「そうだよ、ティアナ」
あたしとリオンでそう話す。
それにランスターさんは呆れながらも、
「ああもう、あんた達の好きにしなさい。あたしも実力を示すってのは反対じゃないから付き合ってあげるわよ。まったく…」
「あはは…!」
「ふふふ…!」
それで三人で笑いあった。
うん! いい雰囲気だね!
これからも頑張っていこう!
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