第四章 空白期編
第百十三話 『陸士訓練校の変わったトリオ(前編)』
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「え。リオン、あたし力がかなりあるの教えたっけ…?」
「聞いていないけど、ちょっと知っちゃったって事もあるから…。だから気をつけてね?」
「う、うん…」
「二人共、さっさとやるわよ?」
ランスターさんにそう言われてあたしもとりあえず力をある程度絞って二人を上に飛ばした。
だけどやっぱりまだ力が込めすぎていたのか他のグループより二人は空高く飛んでしまっていた。
なんとか、二人共着地は出来ていたけど上から「飛ばしすぎよ!」とランスターさんの怒りの声が聞こえてくる。
うぅ〜…力の制御がまだ完全にできないのがやっぱり問題点かな?
その後もなにかをやる度にリオンから指摘を受けてなんとか問題行動は起こさずに済んだけど、訓練終了後にランスターさんに、
「…ねぇ、ナカジマさん。あんたってもしかして力をしっかりと制御できていないでしょう?」
「あ、やっぱり分かった?」
「そりゃ訓練を一緒にしていれば嫌でも気づくわよ。リオンさん、あなたも分かってて言っていたんでしょ?」
「う、うん…分かっててっていうか瞬時に先のことを知ったっていうか…」
「? どう言う意味よ」
「うん…あまり周りには話さないでね? 私ね、たった五秒だけだけど先の未来が分かる能力を持っているんだ」
驚いた。
先の未来っていわゆる予知能力だよね?
それで聞く。
リオンが指摘していなかったら今頃あたしが先行しまくったり、ランスターさん達をかなりのバカ力で飛ばしていたりしていたんだという事を。
「はぁ〜…そんなレアスキルを持っているのね、あんた」
「うん、五秒だけだからそんなに気前のいい能力じゃないけどね」
「それでもすごいよ! そんなスキルを持っているなんて…!」
「ありがと…それで少しだけ未来を変えて今回はなんとかミスもなくうまくいったけど…。
スバル? あなたはまず力をうまくコントロールする事を身につけたほうがういいと思う」
「同感ね。毎回リオンさんに指摘してもらっていちゃ身につかないから。当面のトリオとしてナカジマさんを鍛えることを念頭に入れていきましょう」
「うん。ティアナ」
「ありがとう。リオン、ランスターさん」
◆◇―――――――――◇◆
それから二ヶ月、二人にいろいろな指摘を受けながらもあたしの力と向かい合っていきなんとか制御できるようにまでこぎ着けてきた。
二人は朝晩と自主練に付き合ってくれるのでとても嬉しい。
「これで来月分までの予習は終了ね」
「そうだね。スバルもなんとかまともになってきたし私の予知能力も使う機会は減ったほうだし…」
「二人共ごめんね。ここまで付き合ってもらっちゃって…あたし、要領が悪いから」
「いいわよ。当面のパートナーが使えないんじゃ訓練にもならないからね」
「ティアナ
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