妖精の国
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偶に観察をする。
下に敷いてあるレッドカーペットを豪奢と評するか悪趣味と評するのも個人の趣味だろうしそんな感想は在り来たりだ、とシェイクスピアは思う。
……早く自室に帰って執筆をしよう……
いいインスピレーションが湧いたから書こうと思ったら、紙とペンが残り少ないことに気づいて仕方がなく買いに行って帰る最中である。
別に表示枠に書き留めてもいいし、紙なども誰かに頼めばもって来てはくれるのだがやはり自分のことは自分ですることはあらゆる職業での礼儀だと思っているので、そういった事はしないようにしている。
仕事に熱中することは否定しないし望んではいるが、他が全て疎かと言うのは仕事をしている人間としてはいけない。
まぁ、最低限ではあるが。
だからいそいそと脳内メモ帳に書き留めてある話を速く実物として吐き出したい所に前の方から見知った顔が歩いてくる。
「何だ、シェイクスピアかい。我らが英国の代表作家が珍しく出歩いていたのか? 健康の事を考えれば重畳だな」
「それじゃあ僕が引籠りみたいに聞こえるから止めてくれないか? 世の小説家に対しての偏見だし、何よりも外を出歩くことは素晴らしいんだよ? ───人の営みという物語が見れるからね。そんなに偏見を持ち出したいなら、君こそ珍しいと言おうか? グレイス。海賊女王。英国のもう一人の女王はこんな見た目豪奢な教導院は目に毒なんじゃないかい?」
おお、言うねぇという笑いと共に僕は嘆息する。
周りを歩いている生徒がこちらの会話で時々動きを止める者がいるが構いやしない。
「それにしちゃあ買ってる物はペンと紙じゃねえか。あたしはアンタが外に行って買い物から帰って来たときに見るのはそれくらいしか見たことがない気がするがねぇ……」
「それは残念。ちゃんと生活に必要なものも買ったりしているよ。一応、簡単な自炊くらいはマスターしているよ」
「それは資料の為か?」
「Tes.残念ながらそれは否定できないけどね」
「はっ、作家ならではの職業病だな」
「じゃあ君の職業病は海賊らしく略奪かい?」
「違うな。英国の海賊女王としてはこう答えるんだよ───女王の言う事を気分で無視するって」
その台詞に思わず苦笑しようとしたところで更に追加される声がこちらの耳朶に響いた。
「───おいおい、グレイス。貴様のそういう所は私のツボを押さえているが、流石に女王のお膝元で言うのはどうだ」
周りの全員が慌てた動きで振り返り、そして膝を着くのを見て幻聴じゃない事をグレイスと一緒に嘆息し振り返る。
そこには豪奢と威厳の絶世の美女というのを体現した女性が立っていた。
襲名者であり、人と妖精のハーフ。名をエリザベス。総長連合でもない他国の人間ですら聞き覚えが有り過ぎる女王の名であ
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