妖精の国
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るので好奇心に蓋を閉めとく。
だから背後で二人が息を呑んだのに残り一人が何のリアクションも起こさなかった事に恐怖を感じているなどという事はない。
「それを見に行っていたんですか?」
「いや、点蔵の奴が何かディスコミュッてたからよぉ。ちょーとぉ、トーリ君が選択肢を押してやったんだよ───長衣の旦那ルートを」
「……葵。お前はクラスメイトを落とすところまで落とすつもりか……というか、英国とこれ以上問題を作んなよーー!」
どうやら被害者を作りに行っていたようだ。
そして被害者が出来たからといって油断はできない。時たま有り得ない角度から飛び火が来ることがあるのだ。これが戦闘ならばクラスカースト最下位は何回死んでいるだろうか……全員殺しても死ななさそうだから問題がないっぽいが。
「ところで……その長衣の旦那っていうのは?」
「あ? ああ、何か知らねえけど、点蔵とアッハ〜〜ンな関係な雰囲気が出ている旦那。面白そうだから、煽っといたぜ!!」
「葵。後でお前。クロスユナイトと一緒に反省会な」
そこで第一特務も説教に加えるのが厳しい……!
流石は副会長。
纏め上げる事に暴力を使うのを躊躇しない。つまり、総長連合及び生徒会の恐怖の象徴である。権限的に総長の方が上のはずなのに人間として下にいるせいで抗える人物がいない。ちなみに、副長は論外である。
「いやいや……ちょっと待ってください。微妙に話がずれ───」
既に総長が副会長に引き摺られて説教する流れになっていた。
後じゃなく今やる気になったらしい。
とりあえず無言でまだいるメンバーに話の続きを促すことにした。
「ええと……まぁ、簡単に言えば輸送艦墜落の時に点蔵が救った人なんですけど……」
「成程……でも珍しいですね? 第一特務が救った人と一緒にいるなんて」
どうして、どうやって、第一特務が人を救ったなんかは聞かないがそこは疑問に思った。
第一特務は忍者故か往年の性格故か人助けやパシリをしているのは知っている。
だから、救う理由についてなんて問い詰めるほど野暮じゃない。
そしてそれ故か第一特務は基本、助けた人に対して何も求めない。精々、助言と注意くらいだろう。
それが違う国の住人なら尚更自分の心に封じる人なのに。
それに関しては第五特務も同感なのか一度頷き、でも苦笑しながら
「でも偶にはいいんじゃないんですの? 忍者が主役になるのも今では珍しくありませんですし───まぁ、まさか点蔵が男方面に心の民族移動をするとは思いもよりませんでしたが」
シェイクスピアは荘厳と言ってもいいような教導院の廊下を歩いていた。
正直、ここまで豪奢なのは日常生活としてどうかと思うが小説の資料になるのは確かなので
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