妖精の国
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考えことをしていたのが、この状況を生み出したようである。
普段ならもう少し早く気付いていたが、別に害はないだろう。ここで特務とはいえただの忍者に対して何かをする価値もなければ、印象も最悪になるだろう。
だから、ただの住人だと思い直ぐに擦れ違ってしまおうと多少、足早に動きそして遂に前からの気配が肉眼に確認されたかと思うと
「───え?」
以前、助けた長衣の男であった。
アデーレは輸送艦上に渡り、暫くして久しぶりの顔を見てほっとした。
第一特務だけは別件でいないが、それ以外の人物がここに揃ってやっぱりほっとしたと思える。
まだ完璧とは言わないがとりあえず、連絡が取りあえるようになったのである。性格には問題が多々あるが能力は文句なしの一流が多いので最悪だ。
……あれ? 自分、内心ではそこまで喜んでないですか?
才能で帳消しにしたい外道をどうやら帳消しに出来ていない様である。
やはり頼りにできるのは鈴さんくらいである。
「あれれ? 副長はどうしたんですかぁ? さっき留美さんが探していたんですけど……」
「シュウ君ですか? 今はお忙しい様子ですから、後の方がいいと思いますよ?」
そうして浅間さんが答えてくれるのだが、何故か副会長や第五特務が青褪めた顔になっている。
この話はやばい方向ですねと思い、話の方向性を変えなければいけないと考える。
そうしていると
「ちょっと待った───留美って誰だ?」
「え? ───あ、ああ、そうでした。副会長達はまだ知りませんでしたね」
すっかり全員知っていると思って話してしまっていた。
隣にいる第五特務もうんうん、と首を縦に振っているので自分、もう少し思慮深くならないといけないですねぇ……と思う。
すると自分と手を繋いでいる鈴さんがおずおずといった感じで声を作る。
「留、留美さん……シュウ君、の所の、巫女さん、なの……」
「……熱田神社の巫女というわけか……そういえば、あの馬鹿から神社についてそこまで聞いてなかったな……時々、熱田系の人間が葵の馬鹿を追い回している光景は多々見るのだが……」
「まぁ、一応あそこ戦闘系とはいえ神社ですから……あそこまでの汚れは許せないんでしょうね……最近はホライゾンがいるので我が王に対してのツッコミは隙無しになっていますが」
「ええ……さっきも見事でした……まさか寝てもトーリ君に対しての股間クラッシャーを忘れないとは……記憶を失っても魂がトーリ君へのツッコミを忘れられないのでしょうか……?」
「……浅間さん。最後の方、良いことを言っているように騙されそうになりましたが、それじゃあまるでホライゾン副王は総長へのツッコミが魂みたいになってしまいますよ……」
この人も大概ですねぇ、
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