妖精の国
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ろう。
そこまで自分の事を気にしていないシェイクスピアですら初めて会った時は目を見張ったものである───いいキャラしてると。
そんな感慨を抱いている間にグレイスが呆れの感情を前面に出して現れた人物と接した。
「なーにがどうだ、だ。ここまで近付くのにわざわざ精霊術使ってまで気配隠していた演出家が。女王が遊び好きなのは国が亡びる要因の一つっていうのが在りがちなネタだぞ。それがロマン溢れる妖精女王がやるのなら洒落になってないな」
「女なら一度くらい傾国の美女などと持て囃されるのも面白いだろう? それにそうならないように私の周りは面白いくらい優秀だからな」
「おかしなくらい変態が集まっているの方が正しいだろうよ」
グレイスの意見には大いに賛同できるな、と感想を思いつつ今度は女王はこちらを見る。
「シェイクスピアは……成程、買い物か。うむ、私も久々に買い物に行きたいものだ。最近は仕事仕事で肩が凝る。人生、娯楽がないと終わるな」
「へぇ……じゃあ、今、どうして妖精女王はここにこうしているのかな?」
「それは簡単だ───周りが優秀だからな」
「……じゃあ、その優秀さをどういう風に利用しているかは聞かないよ」
すると、妖精女王の笑いのツボに的中したのか、ははっ、と楽しそうに笑う。
いい笑顔だ、とシェイクスピアは思う。
とてもじゃないがこれから色んなごたごたがある人間が浮かべる笑顔とは思えない。
が、それについて問う立場でもなければそこまで礼儀知らずでもない。
「それよりもいいのかい。エリザベス女王。さっき色々慌ただしかった様だけど……向かったんでしょう、武蔵に」
「それを言うならばシェイクスピア。貴様も付いて行かなくて良かったのか? 貴様の会いたかった人がいるのだろう」
「なれなれしいのとくどくどしたのは嫌いでね。それにその言い方じゃあ誤解が生まれてしまうよ」
「生憎とロマンの女王でな。思考もついそっちに走ってしまう。許せ」
気負いのない笑顔で語りかけてくるとこちらも釣られて緩んでしまいそうになってしまう。
そういう意味でならば、この女王は一番付き合いやすい。
他の女王の盾符は変人だらけで女王コンプレックスが多いので話すのに骨が折れる。略してクイックス。微妙に語呂が悪いな。
「向かったのはハワードやウォルシンガムってとこか? ま、丁度いいところっていえば丁度いいタイミングか」
「ああ。後、ついでにジョンソンも一緒だ。Mate! 私に任せて情熱を綴ろうではないかね!? などと叫んでいたが、正直、向こうで出番があるように思わないがどう思う」
「盾くらいにははなるんじゃないか? もしくは囮。あのアスリート詩人に何をやってもポジティブリアクションしか返っ
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