十五話
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の考えた政策によって、交通路の整備拡大、領内の開発、資源の確保、又、商人を誘致し商業の活性化を行い、財源の拡大、軍備の充実を成功させ、府庫は満たされていった。
更に、如水は、軍事や政事に役立つ新技術を開発するため、私財を投じ、研究に力を入れていたり、各地の諜者からの情報を纏めていた。
その為、如水の働きはおそらく、華琳に並ぶ多忙さだった。その働きぶりを見ていた周囲は、二人体調を心配し無理やり休暇をとらせた。
その日一日休みとなった、華琳と如水は庭園にある東屋に入り、どうやってすごすか話し合った。
「どうしようかしら、いきなり休まされたけど、特にしたい事が無いのよね、何をしようかしら」
「難しく考える事も無いのでは無いか、それに君は詩を考えるのが好きだと聞いたが」
「私は、自分の人生を題材に詩に書きたいの、こんな状況じゃ、詩作が出来そうにないわ。貴方こそ何かしないの」
「そうだな、私は好きな事は、子供と遊ぶ事や、歌を詠むことくらいか。しかし、君の言う様に今は、歌を考える様な気が起きないな」
「そうなのよね…、そういえば、私って貴方が以前何をしていたのか詳しく聞いた事が無かったわ、いい機会だから教えてくれない」
「そういえば、話して無かったな。いいだろう、答えられる事は教えよう」
そう言って、如水は自分の故郷の話を華琳に聞かせた
「確か、生まれは倭の国の播磨だったかしら」
「ああ、ここより、遥か東の島国だ」
「そこでは、一体何をしていたの」
「その国は、私が生まれる前から、戦乱が続いていた。そして、私はある男に魅力を感じ、その男に会い、その下で働くようになった」
「今の、この大陸と余り変わらないのね、で、その男が天下を取ったの?」
「いいや、その男は志半ばで部下に殺された、余りにも苛烈すぎたのだろう。事実、何度も親類や部下に裏切られ、その度に敵を虐殺をした」
「よほど人徳が無かったのね、その男」
「そうだな、だが、私がその男を見込んだのは、その彼の強さだけでなく、彼が、戦乱を終わらせ新しい時代を創ると思ったからだ」
「新しい時代ね」
「ああ、彼は旧弊な社会を壊し、自分の力で世を変えようと思っていた気がする」
「それで、その男が死んだ後、貴方は如何したの」
「彼が死んだ時、その男の部下の下で働いていた。私は、男の主人が死んだとき、その男こそ、天下を取れると思った」
「それは何故?」
「よくはわからない、だが、その男には天運が憑いている様に思えた、それに死んだ主人には無い人に慕われる徳があった。だから私はその男に天下を盗らせる様にさまざまな策を授けた、そして彼の下に天下は平定された」
そこまで言った後、如水は恥ずかしそうに話を続けた。
「以前、君が言ったな。私が天下を取る気は無いのかと」
「え
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