第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第12話:良い女ッスよね
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(ブランカ)
ミネアSIDE
昨晩の騒動を終え、私達は全員宿屋のロビーに集合する。
朝一でウルフさんに確認したら、彼はシンさんの部屋で休ませてもらったらしく、気を使って床で寝たのでちゃんと眠れなかったそうだ。
姉さんを部屋に連れ帰り、朝までお説教をしようと思ったのだけど、珍しく激しい自己嫌悪に陥っていた為、優しく悩みを聞いてあげる事に……
すると驚いた事に、姉さんの口からウルフさんへの恋慕を聞く事が出来た!
今まで『良い男が居ない』とぼやいていたのに、とうとう春が来たのだと感じ嬉しくなる。
でも……だからこそ子供と喧嘩をするなんて大人として恥ずかしい事!
そんな女性はウルフさんも嫌いなはず……そう言って、今日は先に謝る様に説得しました。
暫くすると、リューノちゃんがロビーに下りてきました。
ウルフさんが言ってましたが、彼女も本意では無かったのでしょう……申し訳なさそうに皆の顔を伺いながらの登場です。
彼女は極度にプライドが高いのだと思います。
心の底では姉さんに謝り仲直りをしたいのでしょうが、口を開くと出てくる言葉が気持ちと裏腹になるのでしょう。
「リューノ……昨日はゴメンね。何か酷い事を言っちゃったよね私……本当は妹みたいで可愛いから、喧嘩をするつもりなかったんだけど……大人気なくてゴメン」
そう……リューノちゃんが先に口を開くと、また喧嘩になりかねないのです。
だからこそ姉さんが大人として彼女に謝り、全てを丸く収めるべきなんです!
「……がう……違うよ……」
姉さんが先に謝って、リューノちゃんが多少の憎まれ口を叩き終わると思っていた仲直り……
しかし先に謝られたリューノちゃんは、瞳から大粒の涙を流して泣き出してしまいました!
「わ、私が悪いの……本当はあんな事を言うつもりはなかったのに……マーニャは美人だから、あんな酷い事を言いたくなかったのに……でも言っちゃった私が悪いの!」
どうやらリューノちゃんは、私が思っていた以上に優しい良い子みたいです。
きっと一晩、一人で苦しんだのでしょう……
心にもない事を言って姉さんを傷付けてしまい、そして事態を解決せずに別れてしまった事に……
姉さんから謝り罪を全部引き受けられ、彼女の優しい心は強いショックを受けたのでしょう。
私達はとても素敵な仲間に巡り会えたみたいです。
ミネアSIDE END
(ブランカ)
シンSIDE
マーニャさんに抱き付き泣き続けるリューノちゃん。
とっても優しい顔で彼女の頭を撫で続けるマーニャさん……
良かった……二人の関係が修復されたみたい。
「おいシン君……ちょっと二人の側に行って『うわ〜い! 僕もマーニャちゃんの細い腰に抱き付きた〜い!』って言ってこい!」
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