暁 〜小説投稿サイト〜
好き勝手に生きる!
第二十五話「ようは自殺志願者ですね、わかります」
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
イッセーくん。そういえば彼はあまりこちら側の話に疎いんでしたわね。


 リアスがイッセーくんに説明する。


「エクスカリバーそのものは現存していないわ。元は一本の剣だったのだけど、大昔に折れてしまったの。そして、その欠片を錬金術を応用した技術によって新たに製造された。その数は七本」


「悪魔に聖剣のことを語られるのは癪だけど、そういうことなのイッセーくん。ちなみに、これが新たに創られたエクスカリバーの一つよ」


 イッセーくん? やけに親しい呼び方ですけど、旧知の間柄なのかしら?


 栗色の髪をした女性――紫藤さんは懐から細長い紐状のものを取り出した。それがひとりでに動き、日本刀へと変わる。


「これは『擬態の聖剣』。その名の通りあらゆる形に変化することができるの。見てた通り変化は自由自在だから持ち運びも楽だわ。このように新たなエクスカリバーはそれに応じた様々な能力を宿してるの。これはプロテスタント側が管理している聖剣ね」


「ちなみに、私のはこれだ」


 緑色のメッシュを入れたもう一人の女性は傍らに置いてあった長物の布を外した。


 途端に膨れ上がる気配。背筋が泡立つ感覚。ソレは私たち悪魔の天敵だと本能が警告している。


「これは『破壊の聖剣』。七つに分かれた聖剣の一つだ。カトリック側が管理している」


 なるほど、その名に恥じない気配ですわね。私たち悪魔にとってまさに弱点を具現化した代物。


「しかしイリナ。なにも能力を喋ることは無いだろう」


「あら、いくら悪魔だからと言って信頼関係くらい築かないとダメよゼノヴィア。それに能力が知られたところで悪魔に後れを取る私ではないもの。なにも問題ないわ」


 あらあら、言ってくれますわね。


 紫藤さんの不用意な発言で部員の皆のひんしゅくを買ったようですわね。取り分け、裕斗くんのプレッシャーが……。


 エクスカリバーと教会の者たちを鬼のような形相で睨んでいた裕斗くんを尻目にリアスが問う。


「それで、なんでそんな事態に陥ったのかしら? それと、奪われた聖剣がこんな極東の島と一体なんの関係が?」


「奪ったのは『神の子を見張る子』(グリゴリ)だよ。私たち末端が知るべき情報じゃないから、なぜ奪われたのかは知らないがね。ただ一つ分かっているのは、奪った連中はこの日本に逃れ、持ち込んだのさ。これで満足かい、リアス・グレモリー?」


 銀色のメッシュの女性――ゼノヴィアさんが眉を顰めて答えました。


「ええ、満足よ。私の縄張りは出来事で一杯ね。面倒なことだわ……」


 はぁ〜、とため息を零す部長さん。


「それにしても、堕天使の幹部に奪われただな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ