第二十五話「ようは自殺志願者ですね、わかります」
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僕のすべてだ』
裕斗くんは自分の過去を強く表すものを破壊することに――復讐を遂げることに並ならぬ想いを抱いています。
自分がはぐれ悪魔になってでもいいから復讐を遂げたい。そう言い残してこの部室を出て行ってしまった。
レイくんの一件もあるのに、ここにきて浮上した新たな問題。リアスが頭を抱えるのも仕方がないですわね。
今、部室ではイッセーくんとアーシアちゃんが裕斗くんの過去をリアスから訊いてる。
あの『聖剣計画』を――それにまつわる惨劇を。
「……じゃあ、木場はその聖剣とやらを破壊するために」
「そんな……主に仕える者がそんな酷いことをしていいわけがありません……」
木場くんの壮絶な過去を知り絶句するイッセーくん。その隣ではアーシアちゃんが涙ぐんでいました。
「――あの子は忘れなかった、いいえ……忘れられなかったのよ。聖剣を、聖剣に関わった仲間たちを、教会の者たちを」
苦虫をかみつぶしたような顔で語るリアス。私は当時の裕斗くんを知らないから何とも言えませんが、彼女は違う。実験で死にそうになっていた裕斗くんに新たな生を与えたリアスは、彼の無念をよく分かっているのだから。
「まったく……レイがいないこんなときに、祐斗もいなくなるなんて」
――レイくんももちろん気になるけれど、今は裕斗くんのことが先決……。事態は一刻を争うのだから。
† † †
翌日の放課後。
先生に頼まれものがあった私は少し遅れて部室に足を向けていました。
旧校舎に入り、いつもの部室に入ると、そこには見慣れないお客さんの姿が。
「来たのね朱乃」
「はい、遅れました。そちらの方々はお客様ですね。このオカルト研究部で副部長を務めております姫島朱乃と申します」
リアスと対面する形でソファーに座っているのは修道服に身を包んだ女性が二人。彼女たちはとても友好的とは思えない視線を向けていました。
もしや、リアスと接触したいと言っていた教会の者かしら。
リアスにそれとなく視線を送ってみると、彼女は静かに頷いた。
「教会から来ました紫藤イリナです。実は先日、カトリック教会本部ヴァチカン、およびプロテスタント側、正教会側で保管されていた聖剣エクスカリバーが簒奪されました」
大人しく席に座っている裕斗くんですが、殺意を隠そうともせずに教会の者たちを睨みつけています。当然と言うべきか『エクスカリバー』という単語に反応しました。
不思議な顔で首を傾げる
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