第一幕その十六
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
いで」
テレサだけは彼女を抱き締めている。
「誤解はきっと晴れるわ」
「どうか神よ、御加護を」
「全ては終わったんだ」
エルヴィーノも悲しい声で呟く。
「もうこれで」
「こんなことになるなんて・・・・・・」
「もう式は行われない」
「そしてあるのは」
「非難だけ」
村人達も悲しい顔になってしまっていた。
「何故こんなことになったんだ?」
「この娘が」
「何故なんだ」
「誤解は必ず解けるわ」
「お義母さん・・・・・・・」
「だから。今は気を確かに」
テレサだけはアミーナと共にあった。
「いいわね、絶対に」
「・・・・・・はい」
しかしアミーナの心は沈んでしまった。何もかもがなくなってしまったのだ。
「幸福はなくなった」
「あるのは苦渋に満ちた思い出だけ」
エルヴィーノとアミーナがそれぞれ言う。
「愛と誠実は消えてしまった」
「残っているのは悲しみと絶望だけ・・・・・・」
それを噛み締めるしかなかった。最早二人にはその二つしか残されていなかったのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ