蒼風の谷
関所
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あれからセリナとエリザは白光教会を撃退させることに成功したらしい。
らしいというのはオレが気絶してしまったからだ。頭をぶつけてだ。なので頭が痛い。
だが、彼女たちの活躍で白光教会の連中は退散した。その後彼女たちに介抱されつつ街に戻りベッドに横たわることに。
そしていつぞやの如くオレを挟んで川の字になった。それに気がついたのは翌朝のことだ。
「おはよ、調子はどう?」
「まあ、悪くないな。」
「そう。エリザ、起きて。」
「うぅん……。」
「起きろ、エリザ。朝だ。」
「ふぁ〜い。」
半分寝ているエリザはこれはこれでアリかもしれない。
かたやセリナはシャキッとしているため色気は感じられない。唯一胸元が大きく開いていつことが救いだろう。
だからといって彼女たちを襲う訳ではないが。
「カズヤ、どうしたの?私たちをじっと見て。」
「ふあぁぁ……。くぅ……。」
「寝るな。起きろ。」
「すぅ……。」
ダメだ。落ちてしまった。頬を叩いてもピクリともしない。
頬を引っ張ってみても反応がない。しかしよく伸びる。
「ふぁ……?」
「あ、起きた。」
「ふぁ、ふぁにほ(なにを)!?」
「いや、起きないから。」
「いや、まず放してあげようよ。というかエリザにばかり優しいよね?」
「そうか?」
「ええ、そうよ。私にも優しくしなさいよ。」
なんだ?嫉妬か?
だが、そんなことを考える間もなくセリナが掴みかかってきた。
「わー!待て待て待て待て!」
「私にもー!」
「うにゅぅ?」
背後で可笑しな音が聞こえたがそれどころではない。
オレが倒されれば後ろのエリザがオレの下敷きになる。
「わかったから落ち着け。」
「してくれる?」
胸倉掴んで目を潤ませないでくれ。いろいろおかしいから。
「無事に帰れたらな。」
「やった!約束だからね。」
「ああ、わかった。」
なんだかんだでやっぱりいい子だよ、セリナは。時々乱暴だけど。
「何か言った?」
「い、え…。なに、も……。」
こいつ、ニュータイプか?雑念を感じられたのか?そして首がヤバい。
「あの、朝ご飯にしませんか?」
「エリザが起きるまで待ってたんだけど。」
「そうだったのですか?すみません、寝坊したばっかりに。」
こんな具合に朝のひと時を過ごし、ついには朝ご飯を食べ過ごし宿の外の酒場で軽食を取るはめに。
そして蒼風の谷から白光教会を撃退しギルドに監視を依頼させて、午後の帰還の準備をする。
「そろそろか。」
「はい、もうすぐ東部王国の関所です。」
「やっと帰れるのね。」
「おい、お前ら。身分証を出せ。」
関所に役人にギルドカードを見せオレとセリナ
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