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NARUTO 桃風伝小話集
その17

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これは一体なに。
私の頭はそれでいっぱいになっていました。
私の隣でツナミさんが申し訳なさそうにしながら、私を支えてくれています。
橋造りから帰ってきたタズナさんが、ツナミさんに私を連れてくるようにいったらしく、ツナミさんと春野さんの二人に支えられながら私は玄関先まで歩いて行きました。
まだ、貧血収まってはいないし、身体も上手く動きません。
ぎくしゃくとした動きで、ふらふらしながらゆっくりと歩いていった先で、どうして私はこんな目に合わなくてはならないんでしょうか?
私の眼前に集まっているのは、ガテン系の知らない人達ばかりです。
そんな人達を従えて、タズナさんは得意満面です。
「やっぱり、祝い事は超盛大にしてやらんとな!ワシの家で大人になったのも何かの縁じゃ!あんた達には世話になってる。ワシが父親替わりに祝ってやる。なぁに、心配する事はない。この辺の住人達は皆気の良い奴らじゃ。あんた方のおかげで沈みがちのワシらの町に活気付くってなもんじゃ!なあ、皆の衆!」
嬉しそうに、楽しそうに笑うタズナさんの問いかけに、タズナさんの声かけで集まって来たらしい隣近所の人たちが、タズナさんの家の玄関先でとても明るく同意しました。
思わず、くらりとめまいを感じてしまったのは、責められる事じゃないと思います。
現に、春野さんもひきつった笑みを浮かべてますし、ツナミさんも顔をひきつらせてタズナさんを睨んでいます。
「父さん!ナルトちゃんはこの町の育ちじゃないんだよ!?こんなに大勢に知らされちゃったら、可哀想じゃないか!!」
「何を言うツナミ!めでたい事を祝ってやらんでどうする!」
「あたしはデリカシーの話をしてるんだよ!」
「超めでたい話にデリカシーなんぞ関係無いわ!」
「父さん!!!!」
ああ。
本当に、何で私がこんな目に???
泣きたい気持ちと眩暈を感じながら、私は曖昧な笑顔を浮かべ続けました。
……無神経オヤジ許すまじ。
乙女にとって、デリカシーは超必要です。


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