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ヘタリア大帝国
TURN72 レーティア救出その一
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                  TURN72  レーティア救出
「おい、あいつも祖国さんもいねえのかよ」
「出張中だ」
 秋山は海軍省に来た田中にこう話す。
「中南米に密かにな」
「隠密に潜入して情報収集に当たってるんだな」
「私は止めたのだがな」
 秋山は内心冷や汗をかきながら芝居を行った。
「それでもだ」
「二人で行ったのかよ」
「そうされた。困ったことだ」
「中南米はどうなってるかわからねえんだろ?」
「秘境だ」
 そう言ってもいい場所だ、まさに何がいるかわからない。
「噂では災害や宇宙怪獣も多いらしい」
「確かエアザウナの巣もあるんだな」
「噂ではそうだ」
「そんな危ない場所に二人で行ったのかよ」
「明石大佐も一緒だ」
 このことは事実だ、実際に明石は中南米に潜入してそのうえでメキシコやキューバの情報収集にあたっている。
 真実と設定変更を何とか織り交ぜてそのうえで田中に話すのだった。
「だから安心していい」
「それに祖国さんは忍者でもあるからだよな」
「隠密行動にかけては我々より上か」
「じゃあ大丈夫なんだな」
「そうだ、貴官の応対は私が受けるが」
「頼めるか?潜水艦隊のことだけれどな」
 田中が海軍省に来たのは彼が率いるその艦隊のことだった。
「今伊号級の最新鋭の配備がはじまってるけれどな」
「四〇〇型だな」
「ああ、あれと潜水空母の話な」
「潜水空母も運用するか」
「そのことについて考えがあるんだよ」
「どういったものだ?」
「通常の潜水艦とその潜水空母を合わせて艦隊を編成するんだよ」
 田中が考えているのは二種類の潜水艦の同時併用だった。
「まずは密かに艦載機を出して攻撃してな」
「再び隠密行動に入り、か」
「敵の後ろに回り魚雷攻撃を行うってのはどうかと思ってな」
「いい戦術だな」
 秋山も田中のその考えに賛成の言葉を述べた。
「それは」
「ああ、参謀総長もそう思うな」
「そう思う、だが」
「だが、問題があるのかよ」
「その戦術も通常艦隊との共同作戦あってのことだな」
 それではじめて成立する戦術だというのだ。
「潜水艦だけではどうにもならないな」
「見付かるからだな」
「潜水艦は発見されれば終わりだ」
 姿が見えないことにこそ潜水艦の脅威があるのだ、それなくしては潜水艦はただの脆く鈍重な駆逐艦でしかない。
 秋山もそのことを熟知している、だからこう言うのである。
「幾ら艦載機で先手を打ててもな」
「そこから見つけられて終わりか」
「そうなる、だからだ」
「通常艦隊との共同作戦でないと駄目か」
「このことは変わらない」
 秋山は確かな声で田中に話す。
「だから潜水空母との運用がいいがな」
「突出するなってことだな」
「厳
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