お昼休みのひと時
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田、がらがらという効果音が教室に響く……。
音に反応して何人かの生徒が俺達を見て、『おはよう』という挨拶をしてくるので
俺は『おはよう』と、藤田は『おはッス!』と挨拶を返していく……
藤田の挨拶に『何だそりゃ?』と反応し、盛り上がるクラスの人達。
そんな中、ふと目線を窓際のバニングスさんの所に移す……
そこにはいつもと変ず、楽しげに会話している高町さん達3人組みの姿が在った。
『まぁ、あんまり見てるとバニングスさん辺りに何か言われそうだな……』と思い至り
視線を戻そうとする……。だがその刹那、高町さんと視線が合う……それはもう、ばっちりと。
高町さんは視線が合うと、両手を胸の辺りで組みながら目を左右に動かし、キョドっている。かなり聞こえ辛いが『あ、あぁ、えっと……』という声が聞こえてきた。
今の高町さんの反応を見る限りでは、テンパってるという印象を受ける……
このテンパリは嫌いな人間と目が合ったからなのか?
それとも、昨日の事についてどう説明すればいいか悩んでいるのか?
はたまた、昨日お世話になった事を感謝したいが、嫌いな人間にその気持ちをどう伝えるべきか、分からなくて焦っているからなのか?
一つ言えるのは『……うわ、コイツと目合ったし…』的な感じには成っていないっぽい。
ということは関係が悪化する、という事態の回避には成功しているようである。
まぁ、色々思考を巡らせているが…取り合えず会釈ぐらいはしとくか……
(挨拶は距離が離れている事と嫌われている事を考慮して、やめたのである。)
「(ぺこり)」
本当に些細な……僅か15度首を傾げるだけの行動……。
だがそんな俺の行動に高町さんは何が嬉しいのか、ぱぁ〜っと笑顔になった。
……え? 何で笑顔になるんだ? ……まぁ、いいっか…。
いつまでも立っている状態ではアレなので、俺は自分の席に着く。
「……? どうしたのよ、なのは?」
「? 後ろの方見てるようだけど……」
「わ、わわわ!? な、何でもないの! 気にしないで!」
そう言って高町さんは両腕をぶんぶんと上下に振り
それに反応するかのようにピコピコとツインテールも反応している。
「? まぁ、いいわ……それよりも、そろそろ先生が来るから席に戻りましょ?」
「そ、そうなの! 早く席に戻らないと先生が着ちゃうの!」
高町さんはなにやら慌てているが……先生が来る事がそこまで焦るほどだろうか?
というか貴女の席ってバニングスさんの隣だよね?
「そうだね……。じゃあ、また後でね」
「ええ」
「うん!」
そう言って、少し離れた自席に戻っていく月村さん……。
俺は席に着いてからは、とくにコレと言ってやる事が無いので”ぼ〜っと”黒板の方を
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