千李帰郷パーティ
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いった。
行ったのを確認した千李はいまだ姿を見せないものに問いただした。
「いい加減出てきたらどうですか?」
千李の言葉に応答はないしかし、千李にはこの気が誰のものかしっかりと判断できた。
「釈迦堂さん」
そうこの気の正体は元川神院の師範代釈迦堂刑部のものである。
すると闇の中から釈迦堂が姿を現した。
「よう。ひさしぶりだなぁ千李。1年ぶりか?」
「ええ。そうですね」
「ところでよ。いつから気づいてた?」
「朝私達が橋を渡る前からずっと後ろからつけてましたね。なんかストーカーみたいですよ?」
千李が冗談交じりに言う。
「うるせぇ。まぁそんなことはどうでもいいや。辰子に会ったってな。どうだあいつはお前的に」
「強くなるでしょうね。いずれは次世代の武道四天王の一人になれるでしょう」
「ハハッ!ちがいねぇや。だが本人はやる気がないと思うがな」
釈迦堂は心底面白いといった風に笑った。
「でしょうね」
再び二人の間に沈黙が訪れる。その最初の沈黙を破ったのは千李だった。
「釈迦堂さん?別に辰子たちを強くするのは構いませんが。私の仲間を傷つけるような真似をするのだけはやめてくださいね。できれば私もあなたたちとは戦いたくないですから」
「ハッ。そうだな、肝に銘じておくぜ」
「よろしくおねがします。一応いっておきます。もし私の仲間を傷つけることがあれば…そのときは全力で潰しますから」
そういうと同時に千李から重苦しいほどの殺気が放出された。
その殺気にさすがの釈迦堂もたじろいだ。
「お、おう。じゃあ今夜はこれでな。またな千李」
「ええ。近いうちに板垣の家に行きます。その時にまた」
「了解だ」
釈迦堂はそのまま再度闇の中に消えていった。
「ふむ。まぁこれだけ脅しとけばしないと思うけど、まぁ釈迦堂さんのことだから私に黙ってなんかやるのは目に見えてるけど……」
千李は踵を返し川神院への道を再度歩き出した。
千李と別れた釈迦堂は心の中で恐怖と高揚感が増してきていたのがわかった。
「まったく。なんつうバケモノだよアイツは。しかも殺気に磨きがかかってやがる」
釈迦堂は先ほどの千李の殺気で感じたものがあった。
それはまるで死神が自分の首下に大鎌を構えているようなそんな感じだった。
「ククッ。だがまぁそうでなきゃ楽しみがいがねぇってもんだな」
そして再び釈迦堂は夜の街へと姿を消した。
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