千李帰郷パーティ
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、そうなんでしょうか」
だがすぐに言いくるめられてしまった。
「ん?待てよ?由紀江ちゃんがしゃべってるときに松風はしゃべってないってことは…。それってもしかして由紀江ちゃんの腹話じゅ…」
「違います!松風は付喪神です。」
由紀江は千李の言葉に強く反論する。
「いや、どう考えてもそれ腹話じゅ…」
「つ・く・も・が・みです!」
由紀江は再度強く否定した。
「あ、はいもうそれで良いです…」
「よっしゃあ。さすがまゆっちやればできる子だぜ。オラは信じてたよ」
最終的に千李が由紀江の迫力に圧倒され松風は付喪神ということになった。
「まぁいいわ。一応よろしくね松風」
「おー。よろしくな」
「あの〜。ところで本題の方は?」
「あっと。忘れてたわえっとね。下で私達が騒いでるのが聞こえてたと思うんだけど、よかったら由紀江ちゃんも一緒に騒がないって誘いに来たんだけど。どう?」
千李が言うと由紀江はすぐさま聞き返した。
「いいんですか!?」
「ええ。もちろん。一緒の屋根の下にいるのに一人だけほっとくなんてかわいそうじゃない。だから行きましょう?もちろん松風もね」
「イエー。行こうぜまゆっち。せっかくのお誘いだこれを物にしない手はないぜ」
「ほら。松風も乗り気みたいだし。行きましょう由紀江ちゃん」
そういうと千李は由紀江の手を取り下の会に連れ出した。
由紀江は内心とてもうれしかった。いままで自分が誰かに誘われる経験なんてなかったからだ。
由紀江は胸が熱くなるのを感じたが、今はただこの瞬間を大切にしようと思った。
由紀江と松風が加わったことによりパーティはよりいっそう盛り上がった。
最初はおずおずとした態度の由紀江だったがだんだんと慣れてきたようだった。
しかしまだ他人行儀なのは抜けていないが。まぁそれはご愛嬌だろう。
「さてとでは。お土産ターイム!」
「イエーーーー!!」
千李が言うと全員がそれにのった。
「じゃあ一人一人配って行くわね。まずは翔一から」
「おう!ってなんだこれ?」
千李が取り出したのは白い袋だったしかしその中に何か入っている。
「なんかどっかの国のお寺みたいなとこ行ったらそこの坊さんがくれてね。かなり運がよくなるお守りらしいわ」
「それもはやキャップに必要ないんじゃ…」
大和がそれに軽くツッコミを入れた。
「はい。そこ空気をぶち壊すようなこと言わない。次ガクト」
千李は岳人を手招きする。
「おう!さて俺様のやつはなにかなっと」
岳人に渡されたのは縦長の箱に入ったプニプニとした筒状のものだった。
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