千李帰郷パーティ
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さい頃千李が一子にしてくれたように優しくなでる。そしてこういった。
「うん…。おかえりなさい千姉様」
一子がそういうと堰を切ったように千李は大声で泣いてしまった。
その姿はこの中で百代と並ぶ最年長であるとは思えないほど、小さくそしてか弱く見えた。
千李が泣き止むと翔一が仕切り始めた。
「さて!千李先輩も泣き止んだことだし、そろそろはじめようぜ!」
「おうそうだな、キャップ!」
翔一の言葉に岳人が乗りみんなで奥に進んでいく。千李はすでに一子を解放し百代と並んで歩いている。
「いや〜、まさか姉さんがあんなに泣くなんて思いもよらなかったな」
百代はニマニマと笑いながら千李の方を向いた。
「…ズビッ…。うるさいわねー。仕方ないでしょう出てきちゃったんだから」
「そうだな〜。出てきちゃったもんはしょうがないよな〜」
いまだにニマニマしている百代に千李は先ほどとは打って変わって言い放つ。
「…百代。そんなことばかり言ってると…お前だけお土産なしにするわよ?」
「ごめんなさい!スイマセンでした!!」
百代はすぐさま謝った。
その姿に千李は苦笑したが百代が顔を上げると、先ほど一子にしたように抱きしめた。
そして百代にも言う。
「ありがとうね。百代」
「ああ」
その二人の姿を京がじっと見つめていると百代から離れた千李が消えた。
京が気づいたときにはもう遅い。京もまた千李に抱擁されていた。
「ひゃっ!?」
京は普段とは似ても似つかない素っ頓狂な声を上げてしまった。それだけ唐突だったということだろう。
「京もありがとね」
「は、はい」
千李から解放されると京は顔を若干赤らめていた。
「は、激しかった…。大和早くしないと私は千李先輩のもになっちゃうよ?」
「なにやってんだか…。それと安心しろ京、俺は最初から狙ってない」
大和はいつものように京を軽くあしらった。
「あうっ。またふられた」
大和と京がそんなことを話していると今度は大和の後ろに千李が現れた。
「ふふん。油断大敵よ?や・ま・と」
言うと千李は大和にも抱きついた。
「うひぃ!?千李姉さん!やめて」
「んふふふ。油断してるからこういうことになるのよ〜」
千李は大和を解放した後先に行っていた卓也と翔一も抱きしめた。
卓也のほうはこういうことになれていないので口をパクパクさせまるで金魚のようだった。顔色的な意味でもそうだが。
一方の翔一はそこまで驚いた風はなくすんでいた。
まぁ翔一にはそういったことが通用しないのは自明の理であるが。ちなみに岳人だけは抱
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