反転した世界にて9
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って舐めて擦って貪って、蹂躙し合うのだった。
◇
「狼!」
「いやぁ、あはは……」
事後。
ふと時計を見てみれば、日付が変わって間もなくといったところ。
つまり数時間単位で、僕らは欲望が赴くままに、身体を貪り合っていたわけなのだけど。
……しかし、翔子にとっては、“貪り合っていた”というよりも、“搾り取られた”という印象の方が強かったようで。
「あんな、清純そうな赤沢くんが、あの赤沢くんが……。こんなだったなんて……っ!」
「こんなって、どんなさ」
「こんなは、こんなよっ!」
「いやだった?」
「……すっごく、嬉しい」
ギュッと、翔子の腕に力が籠められる。
この体制――、翔子の胸元に顔を埋めている姿勢でそんな風にされてしまうと、その柔らかな桃源郷にて窒息死してしまうんじゃないかと心配になってしまわなくもない。
――まあ、そんな風に死ねるのも悪くないかな、と、刹那の思考を振り切って。
這い出すようにしておっぱい天国から顔を上げて、翔子の顔を見つめる。
「名前」
「あう?」
「元に戻ってる」
「う、うん……た、た……」
最中はあんなに連呼してくれたのに。
「たく、ろう……」
「なに、翔子?」
「〜〜っ!!」
これもある意味、開き直りってやつなのかも。
恥ずかしくないと言えば嘘になるけれど、しかし、一度口にして出すことを知ってしまえば、あとはもう意外となんとでもなる。
その辺りは、やっぱり女と男で違うのだろうか。……いや、でも男女の価値観が反転したこの世界で、その差が一体どれほどのものかと考えても、一向に答えは出てこないような気がしてならない。
そもそも、男女差ですらないのかもしれなくて。つまり、ムッツリスケベも一度開き直ってしまえば、オーラルになってしまえるのだと、適当にオチを付けておくということで。
――ともかく今は、こうやって照れ臭そうに名前を呼んでくれる翔子の様子を、楽しませてもらうことにする。
「あ、あのさ」
「ん〜?」
それにしても、やっわらかいなぁ。翔子のおっぱい。
こんなにエロくて素晴らしくてなによりやわらかすぎるおっぱいが、しかしこの世界だと“醜いモノ”として扱われているだなんて。この世界の男共は、人生を損しているとしか思えない。
「た、たた、拓郎は、さ……」
「なに?」
「私のどこを、好きになってくれたの?」
「……」
改まって何を訊いてくるかと思えば。
ちょっと戦慄。
なんで、今。何故今更、それを聞くんだと。
答えに窮してしまうじゃないか。
「……ドキドキ」
「口に出さんでも……」
「で、でも知りたいよ……女子だもの……」
「むぅ」
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