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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「佐藤さんの調査報告書:残間兄弟の事情に迫るの巻(前編)」
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が漏らしていた“組手”がそろそろ始まるんじゃなかろうか。
そう思っていると、思いのほか早くそれは始まった。




「さて、時間もないしそろそろやるか!」
「今日こそは一本取ってみせるよ!」

声が終わるや否や既にユウは飛び出しており、兄との組手が始まった。の、だ、が・・・。

「踏み込みが足りん!」
「うわっと!まだまだぁ!!」
Too Easy(他愛無し)!!動きが直線的すぎる!」
「のわぁぁっ!?」

遠くで見物している佐藤さんが素人目にも見ても内容は一方的だった。ジョウの間合いに入るや否や投げキャラもびっくりの超反応でユウの攻めを捌いていく。ユウはフェイントやカウンター狙いなど様々な方法で攻め入ろうとするが、指一本触れることが出来ていない。しかもジョウは開幕から一歩も足を動かしておらず、息も全く切らしていない。バケモノですかアンタ。

「特に動きに問題なし!でも俺には通じないぞそぉい!!」
「理不尽!?ぐはぁっ!!」

一際派手に投げられたユウはそのまま地面を転がり、やがてぱたりと手を地に着いた。

「今日は此処まででいいな?」
「うん・・・今日も駄目だったか」

毎日のようにこうやって組手をし、自分の動きの問題を改良し、兄の動きを注視し、少しずつだが上達してはいる。だが・・・これだけやってもまだ兄の足元にも届いていないという事実に少し顔を歪める。手をかける隙間もない絶壁が目の前に鎮座している錯覚さえ覚える巨大な差。
だが、まだ終わっていない。たとえ兄が百歩先にいたとしても。たとえ僕がその百歩の到達したときに兄がさらに百歩前へ前進していたとしても。それでも僕の歩みが止まるわけではない。足跡が消えるわけではないから。
いつか兄の隣に・・・本当の意味で対等な場所に立つその日まで、僕の歩みが止まることは無い。
そう決意を改め兄の方を見ると、なぜか目を細めて遠くを眺めていた。

「・・・あれ?どうしたの兄さん?」
「ん?ああ。視線を感じたからちょっと探ってみたんだが・・・別に悪意はなさそうだから放っておいてもいいか」
「視線?こんな時間にいったい誰が・・・?」
「・・・おぉ、呑気に手を振ってるぜ。えぇと・・・『こちらにはお構いなく』・・・手話とはやるじゃねぇか」
(兄さんが見てるのって角度からして隣校舎の屋上だよね?裸眼でそこまでくっきり見えてるのかこの人・・・!?)

っていうかこっちを見ていたのは一体誰なんだろうか?何はともあれ、もう時間があまりないので撤収と相成った。


結論:残間兄弟は武闘派





AM 8:00

私佐藤さん、今食堂にいるの。
あの後部屋に戻って寝坊助さんのベルーナ君を起こした後、私は再び残間兄弟の観察に移った。
今度は二人
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