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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross storys〜
episode of cross:呼吸
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し、ホークは最後に、と言って真剣な顔で全員の顔をゆっくりと見回した。
「皆、これだけは絶対に守って欲しい。短期決戦をしようとしないでくれ。あくまでゆっくり、別に映画みたいにタイムリミットがあるわけじゃないし、HPを大事にして長期決戦を目指そう…………!」
「「「「おぉーっ!!!」」」」
五つの拳が、天に向けて突き上げられた。
「ゴォオアアァァァアアアアアァァーッッッッ!!!」
ヴゥヴヴンンン!と風斬り音をともなって、刀身だけで五メートルはあろうかという大剣が振り下ろされてくる。その材質は、青銅だろうか。
返り血のようなものがこびり付きすぎていて、材質が何か非常に分かり難い。
だが、その感じが逆にその刀身に異様なまでの迫力を付与している気がする。
それと比べたら、爪楊枝くらいにしか見えなさそうな己の愛剣をただ無言で、セモンは振るう。すぐさま、とんでもない衝撃。
本気で足を踏ん張っていないととてもじゃないが、すぐさま吹き飛ばされそうだ。
ぎり、ぎり、と愛剣《ソード・オブ・アマノムラクモ》が過剰すぎる圧力に悲鳴を上げるように軋む。
一瞬の刹那、どうにか大剣の軌道をズラすことに成功した。
恐ろしい威力を含んだ刀身は、紙一重で掠めて背後に流れた。
掠った頬が、ジッと言う音を立てて熱を持つ。背後で轟音を立てて、巨人の大剣が地面に深い傷跡を穿った。視界の端に浮かぶHPバーが、音もなく二、三パーセント減少した。
「………ッ!うおぉぉああぁぁぁーっっ!!!」
衝撃に軋む体を必死に回転させ、遠心力をブーストした攻撃を敢行する。
黒い巨人の胸元に、真一文字に真紅の傷が付く。空中に真っ赤なパーティクルが飛び散り、音もなく消えていく。
砂利で若干足場に不安がある地面の上に着地する。
すぐさま、唸っている巨人の再起を待たずに挑みかかる。剣をライトエフェクトが包み、腕が見えない手で動かされたように加速する。
《アラブル・スラッシュ》
丸太みたいな足が、ソードスキルの威力に押されたように…………数ミリ動いた。
「動かねぇー!!」
ボディバランスが弱いと踏んだが、そもそもの体重が桁違いのため、小揺るぎともしない。
まるで巨大な大岩でも素手で殴っているような感触だ。
破壊不能
(
イモータル
)
オブジェクトの感触。頭の裏側辺りに、嫌な感じの汗が浮かんでは消えていく。
やけに体が重い。
足も、磁石のように地面に引っ付いているような気がしてくる。
無駄なことを意味もなくやっているのではないか、そう思えてくる。
とうとう漆黒の巨人は一時のスタンから解放され、雄叫びとともに戦斧を持った腕を振り上げた。
───
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