ALO編
episode6 重み3
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けられないのだろう。
結局、閉じ込められてしまった。
ログアウト不可の、この空間に。
「……ま、いいけどよ」
取り合えず脱出する方法を考えるのは後にしておいて、最初の目的へと向かう。四角い直方体状のコンソールの上のウィンドウを見て…その画面の中の文字が、自分に見えることを確認して、ほっと一息ついた。
あの男に放った、最初の不意打ち。
相手の手を取ってのウィンドウへの叩きつけは、どうやら俺の狙い通りきちんと『可視モード』のボタンに決まっていたらしい。これで俺が初めて見る管理者用ウィンドウでも、なんとか操作することが可能だ。一応攻撃直後に確認はしていたが、戦闘後もきちんと開かれたままになっており……いろいろと弄るのは、そう難しくはなさそうだった。
「どうしたもんかね……」
とりあえず、溜め息を一つ。
眺める画面に映された、俺も相対した経験のある、あの世界樹の守護騎士のステータス。見るだけはっきりと分かるわけではないが、とりあえずステータスの大幅な変更は為されていないことは、間違いない。あの口振りからすれば既にキリトは一度世界樹に単身特攻していることになる。と、いうことは下手にステータスを変動させるとその違和感をキリトに感じさせてしまうか。ならば。
「弄らずにこのまま表示させて、別の場からの設定変更をさせないことが、最善か…」
このままシステムIDでログインさせ続けておけば、他の場所からのこの画面へのログインに「操作中」と応えさせることができる。ならばこのまま、他の管理者……或いは奴が戻ってくることに備えて、ここでこのまま待機しておくのが、最善。
この身が、朽ち果てるまで、か。
冗談交じりに脳裏で笑い、直後に深い溜め息。
「まあ、とりあえず……」
なにか有益な情報があるかもしれない。
現実世界のほうで小耳にはさんだ報道によれば、今なおSAOから還らないプレイヤーが三百人もいるのだ。そのうちの一人が『閃光』であり、世界樹の上にいるのだとすれば、他のメンバーも同様にそこにいる可能性も考えられる。そしてそこには、俺の大切な人たちが含まれているかもしれないのだ。探っておくことに越したことは無いだろう。
設定画面を最小化して、コンソールを操作し
―――だれ、だ……
ようとして、
―――私の世界を、許可無く弄ぶのは……
手を伸ばし、
――― ゆ る さ ん ッ!
俺の体が、一瞬で爆散してポリゴン片へと化した。
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