ALO編
episode6 彼女の想い2
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れだけ毒舌を吐いて……いや打ち込んでおきながら「直接口ではちょっと」もクソもなかろうと思うのだが、一応牡丹さん基準ではそういうものだったのか。
牡丹さん。
彼女は俺の付き人としてずっと俺に、文字通り付き続けていたわけだ。
(使いたく、なかったんだがな……)
苦い表情になるのは、別に爺さんに禁止されていたからなどという理由では無い。
ああ言えば、牡丹さんが逆らえないことは分かっていたからだ。
『四神守』と、『神月』。孤児院のような設備で育てた子供たちのうち、望んだ人達を使用人として本家で雇うというシステム。明言されている訳ではないが、それでも「育てて貰った」という恩を受けた、いや恩を押し着せられた『神月』の人間が『四神守』に付き従うのは、ある意味当然と言えた。そんな人を人と思わないような扱いは、出来ればしたくなかった。
だが。
(仕方ない、か……)
行かなければならない場所がある。
絶対の確信というわけではないが、不自然な…いわば、この世界の綻びを感じさせる場所。
それはもしかしたら、あの世界に通じるかもしれない場所なのだ。
失われた、あの世界に行くチャンスがあるのなら、その席を譲るわけにはいかない。
たとえどれほどの危険が……それこそ、命の危険があるのだとしても。
(俺が、行くべき場所なんだ)
まだ深い夜空の下、俺の体が埋立地の硬い地面を蹴って駆け抜けた。
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