第七話 〜前哨〜
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んのだ!
許せ、田舎関主よ。
『その辺にしてやれ』
『は、はい!』
洋班様に止められる。
…どうじゃ?
ワシの事をどう思っておられるんじゃ?
『お前…こいつらなんかよりよっぽど見所あるじゃねえか』
『!?』
『黄盛よ、今回の一件が終わり次第俺が父上に推薦しといてやるよ』
『ほ、本当でございますか!?』
『あぁ、ワシとお前の仲じゃ。取り立ててやろう』
『あ、ありがたき幸せ!』
や、やった!!
まさかこうも簡単に上手くいくとは!
『よし!では早速準備に取りかかれ!』
『はいっ!…え?』
今なんと?
『ん?どうした?はよう準備に取り掛かれ』
『…』
しまった。
今の流れ的にワシに責任が来る事くらい予想できたじゃろうに。
…どうすればいいんじゃ。
『ご、豪統様…ッ!?』
後ろから田舎関主の部下の声がする。
父さんが殴られた。
だから僕は急いで凱雲を呼んで来た。
また昨日みたいに助けてもらう為に。
『凱雲…』
『凱雲…ッ!』
洋班は凱雲の姿を見るや苦虫を噛んだような顔をした。
『な、なんだ貴様!』
それを察したように隣の黄盛が怒鳴る。
『…豪統様に何をしておられる』
『何をとは侵害な!我らは洋班様より出発準備を命ぜられたのにも関わらず、此奴は一関将の分際で反発しおったのじゃ!』
『何?出発準備だと?黄盛殿は今の兵達の現状と兵糧準備がどれ程大変かを知った上で言われておるのか?』
『…ッ!そんな事田舎武官に言われんでも知っておるわ!』
『では何故?』
『それが洋班様の命だからだ!』
話しにならない。
凱雲や父さんは現状を見て無理かどうかを判断しているのに対し、黄盛は無茶苦茶であろうがなかろうが、上が望むか望まないかで判断している。
そんな状況で話しができる訳がない。
『そうだとも!貴様ら田舎武官共にはわからんだろうが、上の言う事が絶対なんだよ!貴様らが異常なんだ!』
洋班が黄盛の後ろで吠えている。
今までは後ろ盾がなかった分、黄盛が凱雲に怯まずに対する事ができると知った瞬間にでかい態度を取り出す。
…あんな風にはなりたくないな。
『…』
凱雲は黙り込む。
多分後ろ姿しか見えないが、相当怖い顔をしているんだろう。
体全体でどっしり構えていて、どんな事があろうと不動を貫きそうだ。
…だが、その予想はあっさりと覆される。
凱雲は大きく息を吸い込むと、その溜め込んだ息に声を乗せる事はせず、そのまま大きく肩を落として吐き出した。
『では洋班様、こうしましょう』
『…なんだ』
『まず掃討部隊を先鋒、後続の二つに分け、先鋒部隊は洋班様が率いて先に出発なさい
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