第十一話「死霊使い(ネクロマンサー)」
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その剣にスケルトンの古く錆びた剣は簡単に打ち砕かれる。
首すじを断たれればもはや動かなくなる。
そうこれは、もはや一騎当千、青い軌道は舞うようにひらひらりと敵を引き裂く。
その残光は、刹那にまるで一つの遊星が躍るようだ。
タチカゼの身は驚くほど軽く。スケルトンの間を抜けていく。そしてそのあとには蒸発していく敵のみだ。
「まさか、あの夢に出てきた新しい力とはこれのことか?」
そうだ、あきらかタチカゼは速くそして強くなったしかし自分の五体がまだなにかを訴えている。なにか、身が震えるほどの力が。ふいにスケルトン五体がいっせいに打ち掛かってきた。切り払うにも五体とも息が合いすぎて剣が間に合わない。そのとき、もう一方の手をおもむろに握りしめると急速に力がこぶしに流れ込み輝き始めた。そしていちかばちか振り上げて最大の力がたまったところを解き放った。
炎がタチカゼを取り巻いてスケルトンたちを一瞬に灰にした。
「こ、れは?魔法?」
いまだに自分の手が炎を放ったことに驚いている。
「すごい、神はわたしを加護しているということか」
だが、なにかまだ自分の五体は力を残しているのが感じられた。
「そうか、この身に宿ったのは魔力か。それならば」
タチカゼは、自分の知っている物語にある魔法を真似してみた。自分の眉毛の毛を抜いて、ふっと吹く。そして「かわれ!」というとその毛は瞬く間に自分の分身になった。
「ふふふ!それっかかれ!」
分身たちにどんどん倒されていく、敵兵ども。
しかし、隙をみて、ゴーストたちが襲い掛かり始めた。
そうだ、かれらスケルトンがやられてしまえば、自分たち、悪霊など、魔法の一発で浄化されてしまうだろう。その恐怖が悪霊どもを突き動かす。
「うん?うるさいのがいる。ちょっと飛ぶのやめてもらおう」
すると印を結んだ手を口にあて何事かをつぶやき、手を天に掲げる。そして「ハッ!」と気合をかけると、ゴーストたちは、石になってドシンドシンと落ちて行った。
もう、死霊たちは、半数近くがやられあとの者らも完全に戦意喪失という感じだ。
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