ALO編
episode6 決戦、空飛ぶ狩人3
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続ける連中を黙らせるべきか。迷いが、彼女の体を縛りつけていく。
「くぅっ……!」
「ほらほらっ、はやく決めないと死ぬぜ!!!」
迷いに思考のリソースを裂かれた彼女の動きが、鈍る。いくら優秀な指揮官だったとしても、この一瞬の間に難しい三択を、それも自分と同等の戦闘力をもつ相手と切り結びながら選ぶことなどできはしない。顔に映る焦りの色が、徐々に濃くなる。
同時に、それは彼女……あるいは俺のような、スピードが生命線となる戦闘を行うプレイヤーにとっては、文字通り致命的な隙を生む。
「……っ!!?」
俺を仕留めようと大振りした鉤爪が空を切り、その脇が大きく開く。
防具の無い素肌を敵前に無防備に晒したままの硬直に、声にならない舌打ち。
好機。そう思うと同時に、体は自動的に……かつての経験のままに、動き出す。
ぴったりと伸ばしたまま揃えられる指。引き絞られる体。女司令官の、歪む表情。
そして。
「うおおおおっ!!!」
「く、くあああっ!!!」
放たれた必殺の貫手、《エンブレイサー》。
鋭い一撃が、女戦士の胸の中央を、過たず貫いた。
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