ALO編
episode6 決戦、空飛ぶ狩人3
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、もっといい表現があるな。
彼らを、むこうの世界で例えて端的に表そう。
(……ゲート開始直後にタガの外れた、オタク集団、だな、こりゃ)
次々に「さくらたーーん!」やら「萌えーーっ!」やら喚きながらの疾走、いや全力飛行で突っ込む姿勢は向こうでは厳重注意ものだが、こちらの世界では当然そんな規則はない。その熱気を如何なく発揮し、質で勝る『狩人』の面々を数と勢いで圧倒していく。
「畜生、なんでこいつらこんなに硬いんだ!?」
「支援だ、支援の『呪歌』を後ろで三人がかりでしてやがる!」
「先にそっちを片づけるぞ、遊撃隊、一旦森の上へ出て、」
叫ぶ『狩人』の面々の声が、再び野太い声の多重奏に掻き消される。凄まじいエネルギーで相手を押し続け、しかし大した武器防具も無いせいで次々とあっさり斬り捨てられていくが、それでも次々に後続が現れて戦線を押し上げる。まったく、アイドルオタクってのは、大したもんだぜ。
そして。
(その中で、声を響かせ続ける、あいつもな……)
後方から聞こえる『呪歌』の、美しく鈴の鳴る様な、それでいて戦域全体に響き渡る力強さと、人を引き付ける磁力を持つ、独特の……心を打たれるような、歌声。横で伴奏を奏でる二人の女性プーカは俺にとっては初めて見る顔だが、歌っている少女……まるで天使の様な美しい、桜色の髪を持つ、カーソル名「サクラ・ヨシノ」の声には、しっかりと聞き覚えがあった。
「行かせんよ!」「舐めんなよ〜?」
「ぐあっ!?」「なっ!?」
上から飛びかかろうとした『狩人』の面々が、更に上から飛来した数人のプーカと切り結ぶ。
その数人は、先程までの勢いだけ(それでもその勢いは賞賛すべきものだが)の連中とは明らかに異なる鋭い動きで数度打ち合い……『狩人』選抜メンバーの数人が、エンドフレイムへと変わる。装備の充実度から見るに、こいつらがプーカの『戦闘狂』と呼ばれる面々なのだろう。
演奏される《守りの大亀の合奏曲》の三人がかりの演奏でその防御力を極限まで高められた面々は、全く怯むことなく突進して敵メイジの魔法の詠唱を許さず、『狩人』を追い詰めていく。向こうもさる者、必死に戦線を掻い潜って演奏者を襲おうと試みて、こちらの護衛と火花を散らす。
指揮官らしき女ケットシーも、その素早い身のこなしで戦線深くへ突入を試みる、が、
「くっ、貴方はあとですっ!!!」
「そうはいくか、よっ!!!」
今度は俺が逃がさない。
追う方と、追われる方。立場が変われば、その戦闘方法も変わる。追われることに慣れていない女戦士の動きには、先ほどまでのキレは無い。乱戦へと向かい前線部隊を鼓舞するべきか、それとも俺を迎え撃つべきか。或いは上空の呪歌を
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