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ALO編
episode6 決戦、空飛ぶ狩人2
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いや『狩人』だけあって、行商中にたびたび遭遇した雑魚PK野郎どもとは動きが違う。森林中で得意の『随意飛行』を制限されてなお俺のスピードにくらいついてくる。『軽業(アクロバット)』の動きを持ってしても、これだけの視線があれば逃げ切れはしない。

 だが、有難いことに敵にはメイジは居てもハイレベルの回復魔法の使い手は居ないらしく、やっとの思いで落とした数人を蘇生しようという動きはない。こちらの二人のHPも徐々には削られていくが、それでもまだ「勝負」のうちだ。

 (負けねえぞっ…!)

 食らいつく。敵も強いが、俺だって。

 『勇者』でなくても、そこまでは辿り着けなかったとしても。
 その裏方で走り回るくらいには、走り回れるくらいには、力をつけたはず。

 揃えた右手に、紅いエフェクトフラッシュを錯覚しながら。

 「うおおおおおっ!!!」

 神経回路を焼き切らんばかりに吠えて、俺の右手が敵の鎧を貫いた。





 だが、世の中はそうそう上手くはできていない。
 吠えたところで、出来ないことは出来ないのだ、残念ながら。

 ブロッサムのHPが、ついに赤の危険域に入る。先程から短杖での受けではなく逃げに徹しているところを見るに、恐らく彼女の短杖の耐久値がもう限界なのだろう。かく言う俺も既に満身創痍、コートはボロボロでグローブも既に御陀仏だ。

 敵も数人は落とした。無傷のままにはさせなかった。
 だが、そこまでだった。

 「っ!!?」

 油断なく動いていた体が、ついに傾く。
 踏み外した。今まででは間違いなく最長記録だったが、最後までは持たなかった。

 ずるりと滑った、擦り減ったブーツは、何も捉えず宙を踏み。
 回転する視界で、数人が俺目掛けて剣を振りかぶり。

 「っ!?」「くぁっ!??」「なっ!!!」

 森を震わす響いた衝撃に、彼らが悲鳴と共にぐらりと揺らいだ。


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