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ALO編
episode6 決戦、空飛ぶ狩人2
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たか。
 てっきりその参謀役が止めてくると思ったが、ここはバカなりの意志の統一があるわけだ。

 そして、俺のほうも……こう言うとなんだが、悪乗りしつつあった。
 こいつらの馬鹿さに、好感を持ちつつあった、というべきか。

 ―――いいじゃないか。

 彼らの意見は、とても正論だ。この世界の成り立ちとシステムにとても忠実に、そして誇り高い。死が現実世界の死を伴っていたあの世界では許されざる行為だが、この世界では純粋なプレイの楽しみ方の一つだ。コイツは……このギルドは、その誇りに従っているだけだ。

 ならば、こちらもそれに応えよう。
 幸いなことに。

 「時間はもういいかしら? 馬車の中の一人のログアウトは、もう完了したようだけど?」

 高笑いするノーム戦士の脇から一歩歩み出た、鉤爪(クロー)を構えた猫妖精(ケットシー)の女戦士が言う。始めて見かける、特徴的な猫目の顔つきのプレイヤーが、油断なく俺の挙動を警戒しながら言う。そう、彼女の言うように、モモカのログアウトはさっき、完了した。

 「なんだ、気づいてたのかよ」
 「勿論。我々の狙いは戦い、そしてあくまでその結果としての戦利品と名誉点。……ただ逃げるだけの雑魚を追うような軟弱者は、このギルドにはいないわ」
 「へえ。……俺は逃げるだけの雑魚にはならないのかい? 専門は逃げなんだがな」
 「あれだけウチの連中をのしておいて、よく言うわね。……ここらで一矢報いとかないと、戦闘ギルドとしての面目がないのよ。……もう、話はいいかしら? こんな役回りだけど、私も舌戦より近接戦(こっち)が好みなのよ」

 猫目と手の甲から伸びる鈍色の鉤爪が、ギラリと妖艶に輝く。
 唇に浮かぶ愉悦の笑み。見れば、彼女の周りの連中も、続々と獲物を抜き放っている。

 「……おうよ」

 そんな彼らに頷き…構えを取る。もう、時間稼ぎはいらない。
 両手をだらりと下げた、戦闘姿勢。

 「ああ、OKだ。来てみろPK野郎共。行商人として、正々堂々迎え撃ってやらあ!」
 「ふっ、よーっく言ったあっ! 行くぞ野郎共! 狩りの始まりだーーーってうおっ!?」

 叫ぶアホ面に向かって跳びかかった俺のグローブと、横から素早く庇ったケットシーの女戦士の鉤爪が激しく火花を散らした。





 白熱した、大規模戦闘。

 それは久々の……いや、もしかしたら、俺が初めて体験する、『楽しい戦い』だった。あのデスゲームでは、何時如何なる時でも『死』が背中に付きまとっていた。ゲーム後半にもなると、その気配は一層強く、本当の意味で、「楽しい」戦いなんて、なかったのかもしれない。

 だが、このゲームは、この戦いは、……「楽しい」。

 勿論、何のリスクもないわけではない
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