第三話 前・ボス攻略戦
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ームメンバーの二人は、そう思わないことは出来ない。思ってしまうのが必然だとすら考えてしまう。
「――よし、では今からさっきの人が情報を公開してくれるから、皆はよく彼の言葉を聞くんだ!」
青髪の青年の言葉に、二人の意識が呼び戻される。いつの間にか、どうやらボス部屋の前にまで到着してしまっていたようだ。
栗色の髪の少年は――隣には居ない。青髪の青年の横、最前列のボス部屋の二枚扉の前で、ただレイドメンバーのことを真剣な眼差しで見ていた。
――ゴクリ、と咽が鳴る。それは単に、少年が立ったことにより発生した緊張の為だ。
「――ほんなら、みんな僕のいう事は今から絶対に聞き逃さんように、注意して聞いてぇな。質問は後で受け付けるから、まずは聞いてください」
関西弁風の喋り方で――しかし、至って真剣な声音で少年は話を続ける。
「まず、先ほども言った通り、ボスモンスターの取り巻きが変わっとることから。名前は《ザ・ブラッディマーダー・タイラントコボルドJr》いうて、見た目はこの階層のボスである《イルファング・ザ・コボルドロード》の大きさ約3分の1バージョン。ステータスは恐らくボスと見劣りせぇへん筈や。せやけど大丈夫。このJrは僕が倒しますわ。他のパーティーは、出来るだけ集中してボスモンスターを攻撃しなはれ。――ちなみに、経験値やアイテムの分配はどうなってんの?」
「金は全員で自動均等割り、経験値はモンスターを倒したパーティーのもの、アイテムはゲットした人の物、っていう感じかな」
怯まず、慌てず、即座に答える青髪の青年に頷きながら、栗色の髪の少年は自身の話を再開する。
「――と、リーダーも言うた通りや。確かに、取り巻きからのアイテムは惜しいと思う。せやけど、今は安全を第一に、死者を一人も出さずにボスを倒すことを考えなアカン! みんなかて、そう思ってるやろ?」
少年が問い掛けると、レイドメンバーは頷いたり、「その通りだ」、「分かっているじゃないか」などと呟く声が聞こえてくる。それをすぐに手で制して、少年は口を開く。
「よって、今回は安全策として何回か戦った僕に、取り巻きの相手をさせてほしい! 幸い、前に倒した時は経験値がきっちり1しか入らんかった。こんな不味い役、みんなも嫌やろ? ドロップアイテムは何や得体のしれないもんやけど、流石に命を賭ける程のものでもない。――みんな、取り巻きの相手を僕に一任してくれへんか?」
しばらくの沈黙。きっと、みなレアアイテムが欲しくて、今自分の命とレアアイテムを天秤にかけているのだろう。
――と、不意にその沈黙を破る拍手が二つ鳴り響いた。
一つは、横にいた青髪の青年から。もう一つは、チームメンバーの黒髪の少年からだった。
それは次第に伝染
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