第三話 前・ボス攻略戦
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然」
「・・・・・・」
黒髪の少年は首を縦に振り、フードつきケープを着た者は無反応。フードつきケープを着た者はもとより、この話に興味が無いのかもしれない。
「まぁ、それなら一回しか言わんからよぉく聞いとき」
言って、少年は焦らすように一度ゆっくりと深呼吸をする。黒髪の少年は早く聞きたいとばかりに少しそわそわしており、フードつきケープを着た者は相変わらず無反応。
「――27や」
『はっ?』
と、二人の声がハモった。どうやら、フードつきケープを着た者も一応は話を聞いていた様だが、黒髪の少年は間抜けな表情をして固まっている。フードつきケープを着た者は分からないが――きっと、同じリアクションをしているのだろう。
27――それは既に、第一層で到達できるようなレベルでは断じてない。いくらボスの取り巻きループをしたからといって、倒す相手は何であろうとボスの取り巻き。ボスの取り巻きとなれば、当然他のモンスターと比べて一段、ステータスが高い。
センチネルはソロでも倒せない事はない。しかし、それはセンチネル単一だった場合のみである。ボスモンスターあと後二体のセンチネルを加えれば、話はガラリと変わってくる。
四体同時に相手をすれば、仮にもしその状況で狩を出来たとしても、効率は当然ガクンと落ちる。四体のモンスターを捌きながら戦うとは、それほどに難しい事なのだ。
SAOというゲームが正式に始まってちょうど一ヶ月。一度でもゲームオーバーになれば即現実と仮想空間から永久退場するこのゲームにおいて、その27という数字は何よりも心強く、そして何よりも得難い。
当然ながら、このゲームにおいてもレベルは上がれば上がるほど、次のレベルにおける必要経験値数は増えていく。レベルが上がれば、同じモンスターからの取得経験値も少なくなり、効率も悪くなる。
何が言いたいのかといえば、未だに第一層という制限されたフィールド内にも関わらず、たった一ヶ月でレベルを27にするのは――普通の効率では不可能。
つまり、この栗色のさんばら髪の少年の装備――あるいは動きは尋常ではないものだと――この有り得ない27という数値によって裏付けられているのだ。
そう考えれば、レベルだけのプレイヤーというわけでは決してない。実力か装備の伴った――いや、あるいはそのどちらもが揃った、現在のSAO中最強のプレイヤーと、二人が推測するのにそれほどの時間は用いなかった。
その上、先ほど見せたあの《リニア―》はもはやスキルとして――個人の技術として完成してしまっている。
これほどの推理、条件や事実があって、この栗色髪の少年が現在のSAO内最強のプレイヤーと思わない者は、一体どれだけいるのだろうか?
少なくともチ
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