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ソードアート・オンライン 奇妙な壁戦士の物語
第三話 前・ボス攻略戦
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か、アンタ等は分かるか?」

「・・・・・・? 何って、ただの細剣やろ」

 サボテン頭の男が青髪の青年の代わりに答える。少年は一度頷いてから、その細剣をそっと鞘に納める動作を見せ――

「――――――ッ!?」

 刹那、青髪の青年の首筋にその細剣が突き付けられていた。それを認識した者は皆例外なく、誰もが驚愕のあまり口を数秒の間ポカンと開けたまま放心する。

「――今のは僕の《リニア―》やけど、アンタ等は今、この剣が描くライトエフェクトすらも見えんかったやろ?」

 実力は証明した。俺の勝ちだ、と言わんばかりの得意な笑みを浮かべて、少年が言い放つ。

 技の全てがシステムのモーション・アシストの中で動くこのゲームで、何故《リニア―》をやることによって実力を証明できるのか――それは、ソードスキルのある特性があるからだ。

 例えば、少年が放った《リニア―》などは、実は故意的にその剣速を上げる事が出来る技なのだ。より具体的に言えば、システムのモーション・アシスト任せではなく、プレイヤー自身の運動命令によって速度をブーストすることが出来る技、ということだ。

 少年の《リニア―》は・・・・・・既に完成されていた。予備動作も、ライトエフェクトすらも視認することが出来ない《リニア―》など、見たことも聞いたこともない。技後硬直(ポストモーション)(ソードスキルを発動した後に発生する一秒にも満たない硬直)の短さは分からないが、あれほどの技だ。きっとそちらも、完璧なのだろう。

 すぅ、は〜。一度深呼吸をする青髪の青年。どう出るのかと全員が気になる中、青年はグッ、と拳を前に出して親指を上に「グッド!」と言わんばかりに爽やかな笑顔を浮かべた。

「オーケー! お前のその言葉、俺は信じる!」

 言って、場がワッと盛り上がりを見せる。普通ならシャウト判定を受けて即人型モンスターである下級コボルドが集ってくるのだが、生憎コボルドたちのポップは既に少年の手によって枯渇させられていた。

「それじゃ、空いとるチームは無いか? 一応形だけでもチームに入って、出来るだけアンタが指揮出来ん時に指揮を執りたいんやけど・・・・・・」

「空いている所なら、最後尾の二人のチームだな。よし、この人をチームに招待してやってくれ!」

 青髪の青年が呼び掛けると、たちまちお誘いのウインドウが目の前に現れる。少年は承諾、拒否の二つの内の承諾をタップし、そのチームへと入る。

「ボス部屋の前でもっと詳しい説明と対処策言いますんで、その時は時間を少々貰いますわ」

「あぁ。それじゃ、進行再開だ!」

 青年の声と共に、44人+1人の集団は再び動き始める。少年は最後尾に移動してチームメンバーである二人――【Krito】と【Asuna】の下
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