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ソードアート・オンライン 奇妙な壁戦士の物語
第三話 前・ボス攻略戦
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入れて跳躍しようとして――寸での所でそれを自制し、塔の出口の前で立ち止まる。

 何故なら――来ていたのだ。塔の入口まで、ボス攻略組の面々が。

「仕組んだとしか思えんタイミングやな」

 言いながら、少年はボス攻略組の前に仁王立ちして立ちはだかる。

「待ちィな。見た所、ボス攻略組のようやけど――リーダーに話がある」

 少年が総勢44人のボス攻略組に言い放つと、先頭に立っていた男にしては少し長いウェーブの掛かった青髪の青年が前に少し出てきた。

「一応、俺がこのレイドのリーダーになっているが・・・・・・何か用かな?」

 レイドとは、数個のパーティー・・・・・・SAOの世界では1チームに六人までが限界なので、基本的には六人のシステム的に構成したチームが複数集まって(チーム人数は五人や四人でも可)、中規模の団体となることを指す。

 青髪の青年は嫌そうな素振りは全く見せることなく、むしろ爽やかな笑顔で少年と話をする。

「この先のボス、ボスの取り巻きが少しだけ変わっとる。名前は《ザ・ブラッディマーダー・タイラントコボルドJr》というて、行動パターンはボスとほぼ一緒。体格はボスである《イルファング・ザ・コボルドロード》の約三分の一。HPゲージは二段で湧く数はセンチネルと同じ三匹。取り巻きのステータスはボスとあまり見劣りせんけど、大体僕の《リニア―》でHPゲージの一段目が丸々消失する程度。そちらの平均レベルは見た所10〜15ってところやと思うけど、そのレベルで武器がクエスト品なら、まず間違いなく取り巻き一匹倒すのに二パーティー構成しても10分強は掛かるで」

 早口で説明していく少年。話についていけないのか、青髪の青年は困ったように苦笑しながら口を開く。

「・・・・・・つまり、君の言いたいことは『ボスの取り巻きのパターンが変わったから偵察戦からやり直せ』ってことかな?」

 分かり易く簡潔に短縮された内容。しかし、少年は「いや――」と首を振って言葉を続ける。

「それは無理や。僕でもコボルト王から逃げるのには大分苦労したんやで? スタン攻撃対策されとる上に、ソードスキルを思いっきり弾きよった。しかも取り巻き倒すのにそれなりに時間掛かるし――アンタ等の場合、偵察戦やるならレイドそのものがいかな死人が出るで?」

「――その言葉が確かなら、お前は相当の手練れということになるけど、何か証明する手段はあるのかな?」

 青髪の青年のいう事はもっともだ。初対面の相手の情報を素直に信じろということ自体がこのデスゲーム内において――いや、そもそもオンラインゲームという一つのカテゴリに置いて難しい。

 少年はそれを予想していたのか、すぐにコクリと頷き、深い緑色の細剣を天井に向けて構える。

「――これが何
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