第三話 前・ボス攻略戦
[4/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ムにより、君のボスモンスターの取り巻きの乱獲が問題視され第一層のボスエリアに異変が発生した。至急、ボス部屋に向かい偵察、及び攻略戦に参加する全プレイヤーにこの情報を流してくれ。以上』
差出人不明のメッセージに、少年は頭を掻きながら苦笑する。
カーディナルシステムとは、メンテナンスを不要とするエラーチェック及びゲームバランサー機構で、世界のバランスを自己の判断で制御している――いわばSAO内の全てを支配する独裁者である。
「・・・・・・流石に三週間ずっとセンチネル狩りはあかんようやな」
レベルを上げる為にボスの取り巻きだけを乱獲してボスとの戦闘をリセットしまくってゲームバランス崩壊一歩寸前までいくと――まぁ、カーディナルシステムによりこのような洗礼を受ける事になるのだ。
「しゃあない。ちょっと見学してきましょか」
言いながら据えていた腰を上げて、再びボス部屋を開けて中に入ってみる。
中にはいつも通り、玉座に座った《イルファング・ザ・コボルドロード》が中央まで大ジャンプし、獰猛な雄叫びを上げて戦闘開始を知らせる。この雄叫びと同時に、いつも《ルインコボルド・センチネル》がポップする。
今回もいつも通り、センチネルがポップするのか青白い炎のようなものが現れて、その中から徐々にその姿を現していくのだが――
「・・・・・・はぁ、そう来ましたか」
少年の気の抜けた声。しかし、それには訳がある。
ポップしたのは、センチネルではなく《ザ・ブラッディマーダー・タイラントコボルドJr》だった。HPゲージは二段とセンチネルより多めで、見た目はコボルド王を三分の一サイズにしたようなちびキャラ。しかしきっと、ボスのコボルド王に引けを取らないステータスを持っているのだろう。
「――小手調べ、といこうやないか」
刹那、壁戦士寄りのステータスとは思えないスピードで少年が駆ける。コボルド王と子ボルド王も少年に合わせるように駆ける。
「まず、取り巻きからや」
瞬間、ライトエフェクトの軌跡すら残さない速度の《リニア―》が三体の子ボルド王の喉元に直撃する。喉を貫かれた子ボルド王はその二段あるHPゲージの半分――つまりゲージ一つを丸々空にするものの、まだ半分のゲージを残している。筋力値をかなり上げているステータスで更に序盤では有り得ない27レベルを誇って、武器の悪質すぎる性能があるにも関わらず――たったの半分。
「って、ちょっと不味いな、これ」
焦った風でもなく言いながら、コボルド王と子ボルド王の計四体からの攻撃を紙一重で躱しながら《リニア―》による反撃。それによって子ボルド王は全滅。コボルド王は四段あるHPゲージの一段目の四分の一だけ消失させる。
「・・・・・・僕にとって
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ