第三話 前・ボス攻略戦
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「今日もレベ上げ楽しいな〜・・・・・・て、んな訳ないやろ」
現在、SAO正式サービス開始日から一週間が経ったとき、少年は一人ボス部屋で《ルインコボルド・センチネル》のループ狩り(同じモンスターを一定の方法で繰り返し倒す事)を行っていた。
手順は簡単。まずはボス部屋に入り《ルインコボルド・センチネル》だけを狩り、ボスである《イルファング・ザ・コボルドロード》を暇つぶし程度に攻撃して《ドレインレイピア》の毒付加と攻撃力、自身の筋力値によってHPをごっそりともっていき、HPゲージを一段減らして《センチネル》を再びポップさせる。どうやら、ボスであるコボルト王のHPゲージを一段減らすたびに、センチネルは3体湧いてくれるようだった。
最初はセンチネルだけを的確に狙って、その後はすぐにボスをスタンさせて逃げていたのだが、今はこちらの方が効率も良いという事もあって、少年はひたすらセンチネル狩りをしている。
センチネルの経験値は、今の少年にとってはそこらにいる通常のモンスターの9倍以上の美味しさである。ボスを倒される前に、とにかくセンチネルを狩り尽くしてレアアイテム、及び大量の経験値をゲットしようと、少年はそう企んでいた。
事実、センチネルから手に入るドロップ品は通常のモンスターより何倍も良いレア素材だ。しかも、ボスの取り巻きであるセンチネルはボスとの戦闘がリセットされると同時に再度即座にポップしてくれる。またボス部屋を出て扉を閉め、その後塔から出るだけでボスとの戦闘はリセットされる(ボスとの戦闘をリセットということは、そのボスのHP、及びボス部屋での戦闘履歴が無くなる――つまり入る前の状態に戻る)のだ。
少年の現在のレベルは19。最初はこの第一層の成長限界は16レベ程度だろうと判断していたのだが、ボス部屋に入ってセンチネルを倒してみると驚くべき程に経験値が多量に手に入り、以降彼は普通の狩を止めてこのループ狩りに没頭していた。
現在のHPは5489/5489という、壁戦士並みのHPかつ現在のSAO内最強の攻撃力を誇っている。これは単に《ドレインレイピア》という序盤にしては有り得ない性能の武器のおかげであった。
コボルド王とセンチネルの攻撃パターンは至って簡単。それは既に何十週とループした少年にとって、動きは見ずとも避けられる程だった。
「・・・・・・これで十二匹目!」
センチネルの喉元に存在する唯一の弱点。そこを神速の刺突により正確に貫いてHPを完全に削り切り、そして単発細剣ソードスキルである《アヴォーヴ》をコボルド王に放ち、見事にクリーンヒット。その後に転倒してスタンをする。
この《アヴォーヴ》には二つの特性がある。一つは、細剣スキルのくせして刺突系ではなく斬撃系であること。もう
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