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レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission9 アリアドネ
(2) トリグラフ港 A
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、ルドガー」

 クルスニク姓を持つ、未来分史の娘が、あえてルドガーとミラを指名した。

(この子、もしかしてルドガーと――私の!?)

 ミラはルドガーと顔を見合す。ユースティアを介した彼との未来を想像して四肢が火照った。つい顔を逸らしながら、それでもこっそりルドガーを盗み見ると、ルドガーもミラと変わらない体たらくだった。

「話して。ミラと。伝えたいこと、あるでしょ。お互いに。それが終わったら、ワタシのことも教えてあげる」

 ユティがルドガーの横を通り過ぎる。彼女はエルとジュードを連れて埠頭を去っていった。

 残されたミラは、ルドガーと揃って、途方に暮れるしかなかった。

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