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ヱヴァンゲリヲン I can redo.
第壱拾話 6th Angel (First Half)
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二十二層、全ての格納式装甲体を貫き、本部直上への到達予想時刻は、明朝、午前零時零六分五十四秒、あと十時間十四分後です」

「零号機は未調整の為実戦は不可能です」

「初号機も、先の戦闘で損傷が機体の約三割に及び、今日中の修復及び実戦投入は不可能です。機体の修復も今後困難を極めます」

「…状況は芳しくないな…」

「碇、白旗でもあげるか?」

 ゲンドウが黙る。固唾を飲むオペレータたち。

「いいや、そんなつもりは毛頭ない。日向」

「はい」

「戦自研の極秘資料、たしか諜報部にあったはずだ」

 ハッとした日向の顔を見て、ゲンドウはにやりと笑った。







 ゲンドウと冬月は、ヘルメットをかぶり山頂の工事現場にいた。

 既に完成した頂上からは、本部に向かって穿孔する使徒の姿が肉眼で見える。透き通ったブルーの八面体は、夕日を浴びて、宝石の様な美しさを放つ。使徒でなければ、このまま残しておきたい気持ちにさせるほどに。

「お前も無茶な作戦を立てたものだな」

「仕方あるまい。残り九時間で実現可能及びもっとも成功確率の高い作戦だよ」

「ヤシマ作戦、戦自研が極秘に開発中だった大出力陽電子自走砲と全国の電気を強制徴発。未完成の為、自律調整できない部分はエヴァを使って精密狙撃させる、か…。しかし零号機が砲手では…いささか問題もあるのではないか」

「仕方あるまい、射撃専用G型装備を搭載している初号機は、損傷が激しすぎて今回は使えん」

 初号機は先の会議で報告があったように、機体の三割が何らかの損傷を負い、修復完了までには二か月必要と判断されていた。ゲンドウは初号機の凍結を命令。代替としてNERV北米支部に3号機、4号機の譲渡を要請したものの、これは北米支部とSEELEにきっぱりと断られている。

「SEELEも無茶だな。エヴァもよこさず使徒を倒せとは」

「そうだな…しかし我々はやるのみだ。ユイの願いを叶える為にな」









「碇ゲンドウ…零号機だけで使徒を倒しに行くとは…無茶すぎる作戦を立てたものだな」

 モノリスは笑う。

「しかし…使徒が地下のリリスと接触すれば、サードインパクトが起きてしまいます」

「心配しなくても良い、葛城作戦部長」

「上空には、碇がへまをしたときに備えて爆撃機が待機している」

「失敗すれば、上空から50発のN?航空爆雷を投下するつもりだ」

「また、エヴァ3号機も輸送機と共に空港で待機中。心配する事は何もない」

 落ち着いたモノリスの声にミサトは恐怖を覚える。しかし何処か安心した。

 誘拐されてから今まで、彼女はSEELEの面々にNERVとその司令碇ゲンドウの事を聞かされて
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